今日の風磨は少し顔色が悪かった
なんだか体調が悪そう…
でも風磨は大丈夫っていう
いつも…
そんな風磨が私は怖かった…
風磨は私の頬を両手でつまんでくる
そして私は朝食を済ませ荷物を持って家を出た
いつもの道を通り、いつもの扉を開く
そしていつも通り仕事をする
そして家に帰るとまだ風磨はいなくて夕食の準備をする
今日もまたいつも日々を繰り返す
はずだった
家のドアに鍵を差し、回す
しかしガチャという音はならない
奥から風磨の声が聞こえた
でも今日は遅くまで仕事があるって聞いたはずなんだけど…
急いでリビングに行くと
そこには顔を真っ赤に染めた風磨がソファーの上でぐったりとしていた
風磨の額に手を当てるとものすごく熱かった
私は毛布を持ってくるついでに体温計
そして氷枕を持っていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!