カフェを出た瞬間
少し冷たい風が頬に触れて、思わず目を細めた
玲さんが「寒くないですか?」って優しく聞いてくれて
その声だけで、胸がふわっと温かくなった
「ううん、ちょうどいいです」って言ったけど
本当はその優しさが、いちばん心地よかった
並んで歩くこの時間が
夢みたいで、終わってほしくなかった
ふと見上げた空に
小さな星がひとつ、瞬いてた
「ねえ、星出てきてますよ」
そう言ったとき、玲さんも空を見てくれた
でも
その横顔に気づいた瞬間
私の方が見とれてしまってた
玲さんが「絶対、すぐ誘います」って言ってくれた時
嬉しくて、どうしていいかわからなかった
「じゃあ…待ってます」
本音が、ついこぼれてしまった
バイバイしてからも
胸の奥がぽかぽかしてて、全然冷めなかった
今日の全部が愛しくて
頭の中が、玲さんのことでいっぱいだった
こんな風に人を想うなんて
自分でも、ちょっと驚いてる
でも
その気持ちを、大切にしたいって思った












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。