「 其処のお嬢さん 。 」
そう云われ 、振り向くと
砂色の外套を着た蓬髪の男性が居た 。
『 何の用でしょうか 。 』
そう訊くと 、彼は私の手を取り跪き 、
公共の場でも関係無しで私に
こう云ッたのだ 。
「 私と心中して頂けないでしょうか 。 」
と 。
私は 、興味を持ち彼の誘いを受けた 。
彼は 、驚いていた 。
だが 、私はお構い無しに彼の手を引き 、
近くの川へと足を運んだ 。
私は 、足を川に入れた 。
すると風が吹き 、髪が揺れた 。
『 … 太宰さん 。 』
「 … 何かね ? 」
『 矢ッ張り 、川の水は冷たいですね 。微笑 』
『 御免なさい 、大好きですよ 。 』
そう云うと 、彼は私の手を掴もうとした 。
亦一つ風が吹いた 。彼が目を開ければ
私は其処にはもう居なく 、
其処に居るのは 、
太宰治 __ 唯1人だけだッた 。
「 私も 、大好きだよ 、… あなた 。 」













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。