ZEROBASEONEとしてデビューしてしばらく、韓国でのイベントが行われた。
そこに、メンバー何人かの家族が遊びに来るらしい。
リッキーは、母親と妹は来れないが、代わりを頼まれたあなたが来てくれると報告が入り、メンバーたちは真っ先に喜んだ。
無事にイベントが終わり、裏で家族と合流したメンバー。
他の招待客に紛れ、スタッフに連れられたあなたの姿が見えた。
2人の英語での会話が始まったが、両者とも顔は暗く、目が合わない。
リッキーの言葉に、あなたの眉がぴくりと反応した。
2人の間にピリピリとした空気が流れ始めた。
睨み合うように会話を続ける。
2人の顔が険しくなった。
睨み合いが寄り険悪になる。
2人の会話がヒートアップしていった。
リッキーのいつもの姿からは想像できないぐらい、饒舌に、悪い言葉がその口から次々に流れ出る。
スタッフやマネージャー、ハンビンやジウンが2人の声に慌てて駆け寄る。
極まったあなたが右手を振り上げた。
随分と鍛えたその腕で、二回りは小さいその拳を受け止めた。
あなたは目を丸くして、彼の手を見た。
だがすぐにハッとして離れた。
そのまま、何かを叫んで、脱兎の如くその場を逃げ出してしまう。
聞いたことの無い言語では無かった。
でも、早口で捲し立てていたから、まだ初心者のメンバーたちは、何を言っていたのかさっぱり分からなかった。
だがリッキーとジウンは、呼吸を止める程のショックを受けた。
先にジウンがリッキーのもとに駆け寄った。
彼にしては珍しく、雰囲気が暗くなり、深く下を向いてしまった。
目に見えて弱々しくなったリッキーを、他のメンバーが囲んで、慰めた。
家族が来ていたメンバーは彼らに別れを告げ、皆で揃って帰路についた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!