母は褒め上手で、なんでもできる人だった
父はすぐに私の頭を撫でてくれた
私の家庭は、普通に良い家庭だったと思う
私が満足してなかっただけで
私は幸せだったんだと思う
普通、幸せだったら、素敵な性格に育つんだと思う
他人に優しくできるような、そんな素敵な性格
みんなに愛されるような
私は将来、警察官になりたかった
母と父はいいよ、と言ってくれた
この時は、知らなかった
私が異能力をもっていたことも
そして、私の異能力が、⬛︎⬛︎であったことも
それらの異能は、人助けをするには向いていなかったのも
その異能は、大切な人を奪ってしまうことも
ある日、私は全てが空っぽみたいになった
それは衝動に近いもので、違うみたいで
意識が戻ると、私の体は包帯だらけになってた
看護師さんに聞くと、私はビルから飛び降りたらしい
不幸中の幸いで、木に引っかかった結果、死なずに済んだ
でも、私、別に死にたかったわけじゃないの
ただただ、毎日が灰色みたいで
つまんなかったの
その日から、父と母は変わっちゃった
病室の外から、そんな声が夜な夜な聞こえるようになった
私が退院してからも、その関係性は変わらなかった
いつのまにか、味覚がなくなって
ご飯の味もわからなくなっちゃった
それからはもうめちゃくちゃ
私は自分の物を壊すようになった
ヘアピンを折ったり、眼鏡を割ったり
自分でもよくわからなかった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。