第13話

1-10 嘘(一章最終話)
97
2023/12/29 08:54
ロクタ
しょーごと、どういうかんけいなの?
御山京
え……?
 京は唖然としていた。何故ロクタが憧吾の名前を知っているのか。先ほど会った時だって別に憧吾の名前をロクタの前で言った記憶がない。
御山京
ど、どうしたの急に……
イツキ
……ロクタ曰く、先程の京と憧吾?の会話を聞いてしまったらしい
御山京
……!
 うそ、でしょ……?
 別に聞かれてどう、という事はないが、第一に心配なのが僕の二人に対しての信頼。
 リーダーが前にいたグループに裏で浮気している、なんて思われたら信頼度は下がるに決まっている。
 ……なんとか、誤魔化さないと。
御山京
……あれは、次のドラマのオーディションの練習だったんだ
 ……我ながら、分かりやすい嘘を言ってしまった。こんな嘘、ロクタにでも見抜ける。
ロクタ
次の、ドラマ?
御山京
そう。ほら、僕たまにモデルの仕事とかしてるでしょ。それ経由でドラマに出演しないかっていうオファーが来てたんだ
 またバレバレな嘘をついてしまった。本当に申し訳ない。
 でも、モデルの仕事を受けているのは嘘ではない。そこで前、偶然VISTYと遭遇しそうになった事は言ってないけど……。
イツキ
……京の場合、そのような事があれば真っ先に俺とロクタにいう筈だが
御山京
ごめん、その時は二人とも忙しそうにしてたから……
 実際そうだ。二人が前に忙しそうにしていた時があった。なぜあんなに忙しそうだったかは分からないけど。
 ……というか、自分と2人の過去の行動を言い訳にしてこんな嘘をつくのもどうかしているが……。
ロクタ
……わかった。じゃあもうこのお話はおしまい
 あれ、ロクタがすんなりと話を終わらせた。
御山京
……ありがとう。ごめんね、心配かけちゃって
 息を吸うように嘘をついた僕は、罪悪感で心が真っ黒に染まってしまった。
 というか、なんでこんなに憧吾を庇ってるんだろう……。最初は全然乗り気じゃなかったのに。
 章を付けました。
 各章10話ぐらいで終わらせたいな〜なんて考えてますが、計画性皆無の私なので多分10話とかより多くなる可能性大ですが許してください😘

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