京は唖然としていた。何故ロクタが憧吾の名前を知っているのか。先ほど会った時だって別に憧吾の名前をロクタの前で言った記憶がない。
うそ、でしょ……?
別に聞かれてどう、という事はないが、第一に心配なのが僕の二人に対しての信頼。
リーダーが前にいたグループに裏で浮気している、なんて思われたら信頼度は下がるに決まっている。
……なんとか、誤魔化さないと。
……我ながら、分かりやすい嘘を言ってしまった。こんな嘘、ロクタにでも見抜ける。
またバレバレな嘘をついてしまった。本当に申し訳ない。
でも、モデルの仕事を受けているのは嘘ではない。そこで前、偶然VISTYと遭遇しそうになった事は言ってないけど……。
実際そうだ。二人が前に忙しそうにしていた時があった。なぜあんなに忙しそうだったかは分からないけど。
……というか、自分と2人の過去の行動を言い訳にしてこんな嘘をつくのもどうかしているが……。
あれ、ロクタがすんなりと話を終わらせた。
息を吸うように嘘をついた僕は、罪悪感で心が真っ黒に染まってしまった。
というか、なんでこんなに憧吾を庇ってるんだろう……。最初は全然乗り気じゃなかったのに。
章を付けました。
各章10話ぐらいで終わらせたいな〜なんて考えてますが、計画性皆無の私なので多分10話とかより多くなる可能性大ですが許してください😘
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。