第19話

2-6 再度集結2

2024/03/25 20:22

　ふと時計を見ると、すでに15時を回っていた。

大和憧吾

やば、もうこんな時間か

御山京

まだ3時だよ？そんなに焦る必要ある？

大和憧吾

いや、別に焦ってる訳じゃないんだぞ

　気を紛らわしたいなんて言える訳ない。
　"昔"の俺に言ってやりたい。「今を大切にしておけよ」って。今更、昔の俺に憧れたって意味なんかないのだから。
　……ん？憧れる？なんで俺、5人の時の俺に憧れてるんだ？

御山京

でも今3時って事は、あと1、2時間ってところかな

大和憧吾

ああ……

御山京

ん？憧吾、何かあった？

　気の抜けた返事に違和感を持ったのか、京は俺の顔を伺う。

大和憧吾

あ、いや、何でもないから

御山京

そっか

　特に言及してくる事もなく、静かに時の経過を実感していた。

御山京

じゃあね

大和憧吾

ああ。また連絡する

　気付かないうちに解散の時間になっていた。簡潔に言葉を交わし、お互いは真逆の方向へと歩いていった。
　なんだか最初の方は楽しかったのに、時間が経つにつれて話題がなくなっていった気がする。俺がもっている話題が少ないのか、それとも意外に話が弾まなかったのか……。
　京と話せるだけで俺は嬉しいのに。どうして、何か引っかかるんだろう。