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第1話

──光と闇のはざまで
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2025/11/08 09:01 更新
夜の空は、まるで泣いているようだった。

黒い雲が渦を巻き、青白い稲光が空を裂く。

その中心で、俺――**暁(あかつき)**は、
剣を握りしめて立っていた。


目の前には、崩れ落ちそうな少女。

銀色の髪が雨に濡れ、細い指が震えている。
――柚葉(ゆずは)。
暁(あかつき)
「……どうして、泣いてるんだよ。」
彼女は震える声で答えた。
柚葉(ゆずは)
「だって、暁が……わたしを守るたびに、傷ついていくから。」
その言葉に、胸が痛む。
俺は、笑ってみせるしかなかった。
暁(あかつき)
「大丈夫だ。俺は、君を守るために生きてる。」
雷が空を裂いた。
遠くで誰かの声が響く。
セラフィナ
『暁――命令だ。滅びの核(コア)を消せ。』
それは、神の使いセラフィナの声だった。

冷たく、美しく、容赦のない声。

俺は目を閉じる。

選択は、とうに決まっていた。

――世界を守るか。
――彼女を守るか。

次に目を開いた時、
俺の剣は、世界に背を向けていた。
暁(あかつき)
「ごめんな、神様。」
暁(あかつき)
「俺は、君を守るために……世界を裏切る。」
雨が止んだ瞬間、
柚葉が小さく笑った。
柚葉(ゆずは)
「……ありがとう。暁。」
そして、世界が――光に呑まれた。
次回予告

運命の歯車が動き出す。
世界を敵に回した少年と、一人の少女の物語が始まる。

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