夜の空は、まるで泣いているようだった。
黒い雲が渦を巻き、青白い稲光が空を裂く。
その中心で、俺――**暁(あかつき)**は、
剣を握りしめて立っていた。
目の前には、崩れ落ちそうな少女。
銀色の髪が雨に濡れ、細い指が震えている。
――柚葉(ゆずは)。
彼女は震える声で答えた。
その言葉に、胸が痛む。
俺は、笑ってみせるしかなかった。
雷が空を裂いた。
遠くで誰かの声が響く。
それは、神の使いセラフィナの声だった。
冷たく、美しく、容赦のない声。
俺は目を閉じる。
選択は、とうに決まっていた。
――世界を守るか。
――彼女を守るか。
次に目を開いた時、
俺の剣は、世界に背を向けていた。
雨が止んだ瞬間、
柚葉が小さく笑った。
そして、世界が――光に呑まれた。
次回予告
運命の歯車が動き出す。
世界を敵に回した少年と、一人の少女の物語が始まる。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。