中から嫌な予感がして恐る恐る事務室の戸を引いた。
すると目の前にはひっくり返したであろう
書類が扇子のように広がっていた。
あ、初めて見る人だ。
とても嫌な顔をされているがまあ仕様がない。
少し冷たく言ったのだろうけど
元からの優しさが滲み出ている。
俺が返事をすると、吉野先生はやることがあると言い残して事務室から出ていった。
……となると
この人と一緒に居ることになるんだけどね…
吉野先生は賢い。俺とこの人を一緒にすることで俺が化けの皮を剥がすと思っているのだろう。
気配がまだここにあるのだから。
やっぱり怯えちゃってるな。
何とかして警戒心を解けないだろうか。
俺は突然言われたことに理解が遅くなった。
そして小松田さんはずっと我慢していたのか、ボロボロと本音をこぼして言った。
前の天女にやられた事、言われた事。前に天女がしたことは全部彼を否定する行動だった。
そういうと小松田さんは勢いよく顔を上げた。
だいぶ驚いている顔だった。
そして俺は小松田くんの手を両手で
包みながら言った。
俺は優しい眼差しで小松田さんを見つめ
そして微笑んだ。
小松田さんの目には涙が零れていたが、
でもとても嬉しそうな顔をして笑っていた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。