すっとぼけますか......
チラッと考支さんの顔を見ようとする......が、
何故か気まずそうにどこかを見ていた
何かミスしましたかね......?
もう少しやりたかったですが......仕方ありません。
心做しか耳が赤くしんどそうなのでここらで切り上げましょう、風邪でもひいてるんでしょうか?
ハッッ、まさか兄と似た顔の私......美しすぎて見れなくなっているということ...!?あ〜、分かりますよ!!それは仕方がありませんね!!
.............もう行きましたかね....、、??
無意識に下唇を噛む
ああ......馬鹿だ。大馬鹿者だ。完全に選択を間違えた。絶対に翔陽さんと飛雄さんの味方をするべきではなかった。翔陽さんをリベロにせずスパイカーにし、飛雄さんをセッターにしないと言う両方の才能を見ていないような決断に焦って......クソっ!!
大地さんはあの変質者でチョロい学園長と違うんだぞ!?学園長は少し調子を立てるだけでその場を乗り切れるが大地さんは良くも悪くも普通だ。もう少し考えて口を開くべきだったッッ......!
でも、先程の意見は本当に私の本音だから......「さっきのは冗談です☆」なんて言うのは私のプライドが許せませんし......
あ〜!!もうどうでも良い!!
自分の意思を貫いた方が逆に良いだろ!!(ヤケクソ)
言ってやりました!!!
え................、、マジですか??
先輩にリベロがいるにも関わらず才能があるからとやりたがってもない1年にリベロを進める......つまり、印象最悪ってこと、、になりますかね!?
情報収集を先にしておけばよかったッ!!
色々......まさか!!リベロに関しては踏んではいけなかった程の理由がもしかしてあるんですか??骨折や病気など......その場合色々と最悪な仮説が思いつくのですが...
でも、まだ気落ちしてはいけません。こんなミスで印象が一気にガラっと変わるはずはありません。
大切なのは積み重ね......1回心を落ち着かせましょう
これが今1番のベストアンサー。
納得出来ないと自分の意思を貫くならこれが1番良い回答でしょうね。キャラも安定させながらじゃないといけませんし……
そして、私は大地さんの考えを聞いた。
大地さんの思惑はわかりましたが、目が合ったら喧嘩しかしないあの彼らに出来るとは思えない......
でも、烏野のバレーに私が本気ですごいと思った良いところは新しいところを他から盗み次々と取り入れ3ヶ月ほど経てばもう他のチームと対戦している様な感覚に陥る、あの成長性......
外に視線を落としてみる
赤っぽいジャージに特徴的なオレンジの頭が見えた
あのオレンジ頭......てことは飛雄さんも居ますね。
ああ、何となく分かりました。なるほど......
翔陽さんと影山さんにも聞こえるように大きめな声で龍之介さんに話しかける風に時間を聞く。
絶対新入部員の私が聞いた方がおかしくないでしょう
これで龍之介さんからの株が上がりましたね。計画通りです。最初は大地さん側にもう少し媚びを売ろうかと思いましたが、思ったより龍之介さんと話す機会がないので。
機会があれば逃さないようにいくことにしました。
不審がられましたかね......なら、
ネタかのようにすれば、
考支さんからすれば真面目な子に見せかけて先輩もイジれるノリの良い子。
龍之介さんからすれば協力してくれた良い後輩。
さて、彼らはちゃんと聞いてましたかね。
”タダ”でのご飯......??、
なんて言えば良いんでしたっけ......、、
タダでのご飯......ヴッッッ。
タダという言葉以上の恐怖ってこの世にあるんでしょうか。無理ですよ。無理無理。何企んでいるんですか??あとから何かを請求されても困りますし。
今の時刻午前4時55分......
今何をしているかと言いますと、
”たまたま”早く起きてしまったので
気まぐれで学校行こうかなと思い
”たまたま”門の鍵がかかっておらず
朝練あるしなと思い第2体育館にいます。
そしたら”たまたま”翔陽さん達が
来るのを思い出したんですよ。
......誰がなんと言おうと”たまたま”です。
だって私が早く来たって私になんの利益がないでしょう??今まで見てどうでした??利益がなかったら動かない男なんですよ。ね??
ちゃんと早起きは出来たみたいですね。
してなかったらどうしようかと思いましたよ。
あ、やっぱり来ましたね。昨日鍵持って帰ってたのでそのつもりだと思ってましたよ。
田中さんが鍵を出す
私の笑顔今引きつってませんよね......?
呆れながらも鍵を開ける
鍵を開けながら横目で騒いでる彼らを見た。
大地さんの話を思い出す。
簡単に要約すると...........
飛雄さんは中学生でもう実力を持ってた筈なのにいまいち結果は出せていない。素早さを求める飛雄さんのお眼鏡にかなう速いスパイカーがおらず、個人主義ばかりしていたためだ。
だが、高校では翔陽さんというスピードと反射神経があるスパイカー志望が入った。
彼らが連携攻撃を使えれば......
烏野は爆発的に進化する可能性がある。
そう考えながら、私は扉を開け。
後ろの騒がしい人達に体育館が開いたことを伝えた─
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。