第14話

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2024/03/07 09:00
あなた
......(ホントに私。何してるんでしょう)
なんで、私わざわざ勝とうとしてるんでしょう......。
負ければ全て丸く収ますし。


ホントに自分が何してるか理解し難い......
あなた
(──理解ふの)
月島蛍
理解不能
あなた
!?
こ、心を読まれた!?
い、いや......きっとたまたまですね。
月島蛍
さっきのはマグレだろ。なのに、懲りずに何回も......
蛍さんは翔陽さんと飛雄さんのことを言っていたんですね。やっぱりたまたまでしたね。焦りましたよ、、
あなた
...私の目から見ても彼らは理解し難いです。理解しようとしたことも一応あるんですがね....まぁ、結果を言うと無理です。
月島蛍
...........
あなた
彼らのようなあほ......いや、要するに馬鹿は「必要だ」と言えば信じるんです。気持ちが悪くなるほどに。
あなた
そんな単細胞達のバレー馬鹿思考なんて分かるわけながないでしょう?
月島蛍
......一応ツッコんどくけど阿呆から馬鹿に言い直してもどっちも悪口。
あなた
知ってますよ。






試合が始まった。
サーブは龍之介さんに取られた。
影山飛雄
ナイスレシーブっ!!!
 
あなた
次はどっちでしょうか。
月島蛍
どうせまた日向チビに上げて失敗だろ。田中さんだけマークしとけば──......
すごい勢いで翔陽さんが走ってくる。顔は......まるで自分に上がることへの確信、今回で速攻クイックを仕上げられることへの確信が秘められていた...、、、、、、、


......気がする。
月島蛍
!?
あなた
っ!
蛍さんはレシーブはあまり得意ではなく身長を生かせるブロック専門。山口さんもレシーブが得意でない。レシーブは私がすべき。
月島蛍
山口!!お前も来い!2枚で止める!!
山口忠
!!
日向翔陽
(......壁。撃ち抜けないのなら、、”かわす”)
いきなり翔陽さんはカーブした。蛍さん達のブロックをスパイクで躱せないと判断したらしい。
月島蛍
!?
日向翔陽
(「せーの」で跳んで長身の選手より高さで劣るなら。”1cm”を”1mm”を「1秒」速く頂きへっ!!!)
翔陽さんが跳んだ。


セッターのボール、これ追いつきます?


......いや、飛雄さんならやりかねない。ていうか、出来るんでしょうね。提案者は飛雄さんっぽいですし。
日向翔陽
(そうすれば、、今この瞬間だけ......。ここ俺の手が1番高い場所)
近くに速く、強いスパイクが打たれた。
あなた
たぶん私のレシーブ間に合いませんね......
そう言って足を止めた。
日向翔陽
──オシッ!!!
影山飛雄
──オシッ!!!






縁下力
......
「ピーッ」と力さんが笛を吹く。試合が終了した。
翔陽さんと飛雄さんが完璧な速攻クイックが完成し。全く取れなくなり。2ー0で私達が負けた。
あなた
......はぁ、疲れました。水が美味しい。
月島蛍
......なんっ、はぁはぁで...話せんの、、?はぁ息切れもしてないし...........
 
日向翔陽
月島っ!!!
月島蛍
翔陽さんが手を前に出す。
月島蛍
???





月島蛍
...........何。
日向翔陽
試合の最初と最後に握手するじゃん。今日の最初はしてないけどっ!
日向翔陽
それにこれから仲間だしっ!
嬉しくねぇけどっ!
月島蛍
................
多分これ以上翔陽さんが話しかけて握手をねだってもキリがないでしょうね......、、。


───はぁ...仕方ない手を貸してあげましょう......。
あなた
翔陽さん、私と握手しましょう。
日向翔陽
?いいけど......?
手をしっかり握る。
あなた
蛍さんも私と握手しましょう。
月島蛍
...........
蛍さんと手を握る。


私の手は握ってくれるんですね......。
嫌ってはいない...........ということでしょうか?
あなた
翔陽さん。もう1回握手を。
日向翔陽
......まぁ、いいけど?
 


月島蛍
何がしたかったわけ?
あなた
ただの間接握手ですよ。
あなた
翔陽さんがお願いしても一生無理そうな雰囲気......というか無理でしたので。文字通り手を貸しました。
日向翔陽
おぉぉぉぉ!!なるほど!!
月島蛍
〜〜〜~~~〜ッッ!?......うわぁ、、
日向翔陽
そこまで嫌がるかっ!?
 







月島蛍
手、洗いに行こ......、、
 
澤村大地
月島。
澤村大地
どうだった?3対3
月島蛍
......別に...どうでも。エリート校の”王様”相手だし僕ら”庶民”が勝てなくても何も不思議じゃないです。
澤村大地
......ふ〜ん?
澤村大地
その割にちゃんと本気だったじゃん
月島蛍
................。手、洗ってきます。
 
あなた
......、、。
澤村大地
烏養。
あなた
......なんでしょう?
澤村大地
......これから俺らと頑張ってサーブやスパイクの力を調整していこうな。
あなた
大丈夫です。コントロールなんて約50年前から出来てました。
澤村大地
(50年前??)......なら、今回は?
あなた
......今回の件が起きた理由を言うと今日は調子が異様に良かったことと、飛雄さんのトスの鮮度と速さ、翔陽さんの素早さについ興奮してしまいました。
澤村大地
......あ〜、確かにあの速攻クイックは気持ちが高ぶるよな。
 
???
キャプテン!!!
澤村大地
!?
日向翔陽
...........
影山飛雄
...........
後ろから聞こえたため。振り返ると入部届けを手に持った影山さんと翔陽さんがいた。
澤村大地
............
澤村大地
................清水
清水潔子
澤村大地
もう届いてたよな?
大地さんが何かを指示すると清子さんが頷き、何か大きなダンボールを持ってきた。
出てきたのはバレー用のジャージだった。
日向翔陽
ぅほおおおお!!!!
あなた
...........真っ黒。変わってない。
 

田中龍之介
月島!お前も表情に出して喜べよ!烏養と影山でさえ微笑んで喜んでるんだぞ!
あなた
は!?!!!?微笑んでませんが!?
影山飛雄
微笑んでないっス!!!!
 
成田一仁
いやいや、お前らそれは無理あるって。
木下久志
すげー嬉しそうだったぞ。
縁下力
影山は微笑むってよりニヤけるって言う方が近かった気がしなくもないけどね。
 
菅原考支
それより!!月島まだ着てねぇじゃん!!着てみろよ!!
月島蛍
いや僕はあとでも───
田中龍之介
恥ずかしがり屋かっ!!いいじゃねぇか着てみろ!!





あなた
色どころか、感触も刺繍も変わってない。刺繍のおじさんまだバレー部の刺繍”だけ”やってたんですね。
お店はもうやっていないというのに。
 
澤村大地
................これから、
澤村大地
烏野バレー部としてよろしく!
 
影山飛雄
...........おす!!
日向翔陽
...........おす!!
月島蛍
...........はい。
山口忠
はい!!!
あなた
はい...........



???
組めた!!組めたよーーーっ!!
誰かが大声でやってきた。


その、誰かはものすごい勢いで扉を開けた。


扉が開かれ見た。その人は特徴的な癖毛に少し大きめな眼鏡が印象的な男の大人の人だった。やけに息が切れているようだ。


確か名は................
あなた
(......武田一鉄先生。でしたっけ?)
初対面の人である翔陽さんや飛雄さんがいるにも関わらず興奮しながら話を進めている。
武田 一鉄
練習試合!!!相手は県のベスト4!!
武田 一鉄
”青葉城西高校”!!!!
 
菅原考支
”青城”!?
月島蛍
ゲッ...どうやって組んだんだろ......
あなた
......?(青葉城西..........?どこの学校でしょうか...?武田先生がおっしゃるには県ベスト4らしいですしさぞ強いのでしょうね。)
日向翔陽
......誰!?先生!?
影山飛雄
しらねぇ!

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