なんで、私わざわざ勝とうとしてるんでしょう......。
負ければ全て丸く収ますし。
ホントに自分が何してるか理解し難い......
こ、心を読まれた!?
い、いや......きっとたまたまですね。
蛍さんは翔陽さんと飛雄さんのことを言っていたんですね。やっぱりたまたまでしたね。焦りましたよ、、
試合が始まった。
サーブは龍之介さんに取られた。
すごい勢いで翔陽さんが走ってくる。顔は......まるで自分に上がることへの確信、今回で速攻を仕上げられることへの確信が秘められていた...、、、、、、、
......気がする。
蛍さんはレシーブはあまり得意ではなく身長を生かせるブロック専門。山口さんもレシーブが得意でない。レシーブは私がすべき。
いきなり翔陽さんはカーブした。蛍さん達のブロックをスパイクで躱せないと判断したらしい。
翔陽さんが跳んだ。
セッターのボール、これ追いつきます?
......いや、飛雄さんならやりかねない。ていうか、出来るんでしょうね。提案者は飛雄さんっぽいですし。
近くに速く、強いスパイクが打たれた。
そう言って足を止めた。
「ピーッ」と力さんが笛を吹く。試合が終了した。
翔陽さんと飛雄さんが完璧な速攻が完成し。全く取れなくなり。2ー0で私達が負けた。
翔陽さんが手を前に出す。
多分これ以上翔陽さんが話しかけて握手をねだってもキリがないでしょうね......、、。
───はぁ...仕方ない手を貸してあげましょう......。
手をしっかり握る。
蛍さんと手を握る。
私の手は握ってくれるんですね......。
嫌ってはいない...........ということでしょうか?
後ろから聞こえたため。振り返ると入部届けを手に持った影山さんと翔陽さんがいた。
大地さんが何かを指示すると清子さんが頷き、何か大きなダンボールを持ってきた。
出てきたのはバレー用のジャージだった。
お店はもうやっていないというのに。
誰かが大声でやってきた。
その、誰かはものすごい勢いで扉を開けた。
扉が開かれ見た。その人は特徴的な癖毛に少し大きめな眼鏡が印象的な男の大人の人だった。やけに息が切れているようだ。
確か名は................
初対面の人である翔陽さんや飛雄さんがいるにも関わらず興奮しながら話を進めている。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。