次の日
『おはよ』
愛菜「ひなおはよ」
『なんかあった?』
愛華「あいつがやらかしたの」
『何したの?』
後輩「・・・」
『この子がやらかしたの見た人いたら何したのか教えてくれない?』
「お客様にイライラして髪の毛を切りすぎちゃったんです…」
『そっか』
『お客様に謝った?』
後輩「謝っておりません…」
『なんで謝らなかったの?』
後輩「先輩が謝ってくれるのかと…」
愛華「あのさ、やらかしたのあんただよね?」
愛菜「やらかした本人が謝らなかったらどうすんの?このお店潰れたり人気なくなったらあんたのせいだよ?」
そこに先程のお客様が
『いらっしゃいませ』
笹倉「あの、さっき切りに来たんですけど」
『あ、先程はうちの後輩がすいませんでした』
笹倉「いやいや、全然」
『それで、どうなされましたか?』
笹倉「旦那に怒られちゃって 切りすぎだって」
後輩「…」
愛菜「ほんとに申し訳ございません」
愛華「こちらにウィッグがござますのでどうぞ」
笹倉「はい」
愛菜「なんで謝んないの?」
愛華「やらかしたのあんたじゃん」
後輩「すいませんでした…」
カランコロン
愛菜「いらっしゃいませ」
目黒「予約してた目黒です」
目黒「あの、この人にして貰いたいんですけど」
愛菜「はい、少々お待ち下さい 今お連れします」
ウィッグコーナー
愛菜「ひな、お客様」
『了解』
『いらっしゃいませ』
『こちらへどうぞ』
目黒「はい」
『今日はどういう感じに』
目黒「入れ足を切って黒に染めてください」
『茶髪になって来てますもんね』
目黒「はい」
数分後
『終わりました』
目黒「すげぇ 染まってる」
お会計終わり
『またのご来店お待ちしております』
目黒「また来ます」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。