花火も終わり、皆と集合した時にはもう満足して、少し疲れている人もいるようだった。
とりあえず、今日は解散、また始業式で…………となった時。
大きく何度も頷く道枝くん。
七人の王子様は、寂しがりやの人が多いらしい。
先に歩いていく六人を追いかける道枝くんの背中は、少し嬉しそうに見えた。
ー道枝ー
俺はずるい。
言い訳を使って、先輩を家に泊めようとするなんて。
家族が今日居ないのは本当。姉二人は彼氏の所やし、両親も旅行中。
皆に褒められたり、長尾と楽しそうにしてたり。
あなた先輩の新しい表情を長尾に何時間も見せていたのかと考えると、むしゃくしゃした。
俺だけに見せる表情が欲しくて。
独り占め、したくて。
ーあなたー
私の家に着いて、とりあえず下着と歯ブラシだけ持っていくことにした。着替えは貸してくれるらしい。
道枝くんは「先輩、寮暮らしなんですねー』とキョロキョロしている。そして、ちょうど部屋から出てきたハルに捕まっている。
玄関に走って行き、着替えを入れたウサギ柄の袋でハルに攻撃する。
あ、部屋に逃げた。
強くて、でも震えた声に振り返る。
私は首を傾げ、何のことかと聞いてみる。
驚いた。
そんな事聞かれるとは思ってなかった。
ホッとしたような表情をする道枝くん。
お兄ちゃんを取られて嫌だったのかな。
状況が悪化しそうだったので、甘えられたことやドライヤーのことやキスのことは黙っておく。
私は少し嬉しそうな道枝くんの後を追った。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!