防衛隊の基地に行くまでに歩いていると
いつの間にか空は黒く 、星が輝いていた 。
ドズルが瞳に捉えているのは
たくさんの食べ物を抱えている2人 ……
国王は 、ぼんじゅうるはまだしもおんりーもかと
少し驚きながらも微笑ましく観察していた 。
きっと根を詰めていただろうし
休ませてあげたいと国王は思ったから 、
何も口出しすることはなかった 。
パッケージの袋に貼られた赤と黄色のシール
『 半額 』や『 割引セール 』という文字が踊る 。
この国では 、出店として一つ一つの小さな店が
隣り合わせで連なっている 。
他国では『 商店街 』の西洋風とも言われてるそう 。
3人とも何か食べてる状態で
その中のおんりーが大きな扉を片手で軽々押した 。
と共に 、感嘆の拍手喝采が起こった 。
その迫力に呑まれて 、訓練所の皆は国王に
気づいていない様子 。
何に皆が釘付けなっているのか 。
それを人と人の間からチラリと見ると …
真ん中に立っていたのは 、防衛隊隊長のおらふだ 。
その横 、木箱のような物に跨るのは
研究部隊隊長のおおはらMEN 。
辛辣な言葉を浴びせられて
ガクリとなってしまうおらふを見てか
沢山の笑顔が生まれる 。
3人の存在に気づいたのは
MEN が一番最初で 、声を上げて驚いた 。
それに続いて全員が振り返ったので
基地は大騒ぎ 。
大きなソレを置いたおらふは
兵の人々が退けて作られた道を走って
こちらへと近づいた 。
MEN は真ん中を通るのが気まずいのか
少し狼狽えながらもこちらへと来た 。
おらふの気をつかった言動に
場が少し和む 。
和気あいあいとしたその光景は
おらふの愛想の良さから来ているのだろうか 。
『 特におんりーは 』
その余計と思われる一言で 、場がピリッとした 。
そう言うと 、MEN を通り過ごして
おらふの前へとニコニコ笑顔で立つ 。
差し出された唐揚げを苦笑いで見ながらも
相当好きなのか 、嬉しそうに『 ありがとう! 』と
お礼を言いながら受け取った 。
笑顔で唐揚げを手渡しした後
ちらりと後ろを振り向いてニヤリと悪魔の笑い 。
ケバブを片手に掴んで 、口へと運んだ様子を見て
MEN は焦ったように手を伸ばす ……
が 、MEN はスカッと空を切った 。
流石騎士団隊隊長と言ったところだろうか 。
おんりーは揶揄うように
『 じゃ 、外の景色でも見ながら食べよ~ 』と
扉の外に出ていった 。
悔しそうにしながら『 ケバブ … !! 』と言い
外へと走っていった 。
開かれた扉の奥にいる2人を見つめながら
穏やかな会話が行われる 。
国王が焼き鳥を頬張り切ったところで
おらふが問いかけた 。
彼の片手にはまだ唐揚げの入ったカップが
握られている 。
何かを悟ったおらふは
国王を手招きし 、近くの個室へと移動した 。
会話の内容を聞いた者は誰一人として居なかった 。
時の流れと言うものは 、早いものだった 。
あれから 7ヶ月 。
日常は変わらず続いていた …… はずだった 。
城の大きなベランダから
2人が星の煌めく夜空に浸っていた 。
光るのは 、乙女座の一等星スピカ 。
そう 。今年は食糧の不足が絶えずに
物価の高騰が激しいのだ 。
原因は不明 。
この食糧不足は去年の後半から始まり
今年は少しずつ食べ物が減っていくばかり 。
… その為 、国民の不満も
少しずつ蓄積している様子だった 。
星に視線を向けながら 、ぼんじゅうるは言った 。
ドズルは驚いた感情を隠せず
しばらく彼を見つめていた 。一方的に 。
少ししてから 、やがて口を開いた 。
そう 。
研究部隊隊長のおおはらMENは
おらふに頼んでフェーリクス国と話をつけてもらい
こっそり鉱石を輸入していたのだ 。
そのお礼として 、あのおらふの武器 ……
“ 銃 ” というものが完成したのだ 。
いつまでもいつまでも 。
この星空の下で 、みんなで笑い合える 。
彼はそう信じていた 。
“ 星が綺麗ですね ”












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。