第18話

獅子頭連頭取、兎耳山丁子
189
2025/02/10 07:17 更新



梅宮 一
梅宮 一
 にしてもあなたがケンカ売るんだな 
 大人しそーな性格なのに
(なまえ)
あなた
 うっ…!まぁはい… 




  いたいとこ突かれて動揺するように視線をそらした。


  自分でそうしたくてしている訳じゃないから

  そう思われてしまうのは少し悲しかった。


  
  荒ぶる感情になるのは大抵他人が傷つけられたときばかりで、


  人との関係を諦めきれていないのが、


  そういった状況で改めて実感する。






  ────────ビビーッ、ビビーッ
全員
 ! 


  突然柊さんに電話が掛かってきた。



柊登馬
柊登馬
 梶か…どうした… 
 しし…とうれん… 
柊登馬
柊登馬
 おい梶!梶!?どうした!? 
梅宮 一
梅宮 一
 なんだどうした… 


  📣たのもーーー!!!!  

  📣たのもーたのもーたのもー   


 フウリンの校庭から大きな声が聞こえてきた。


 いそいで下を覗くと、フウリン生が倒れている姿が視界に飛び込んできた。


(なまえ)
あなた
 …ッ 



  1人だけ校庭に立っていたが、遠めで見ても

  フウリンの制服ではなかった。


  そいつは生徒の髪を掴みながらメガホンで話を続ける。



  📣我は獅子頭連頭取、  

  📣兎耳山丁子!  

  📣うーめーちゃーん
  いざ、じんじょーに  

  📣勝負!勝負!!勝負!!!  




(なまえ)
あなた
 …なんだあのふざけ野郎 



  彼への憎悪が膨らんだ瞬間、

  背後から冷気を取り巻くような気配があった


(なまえ)
あなた
 !? 
桜遥
桜遥
 !! 


  背筋には鳥肌が立ち、振り返ると

  梅宮さんと柊さんが屋上を降りようとしていた。


  先ほどまでのような温かみのある雰囲気は微塵も残っておらず、


   物々しい様子だった。


桜遥
桜遥
 …… 



  桜君がその後をついていくように走り出した。

  
(なまえ)
あなた
 …! 
(なまえ)
あなた
 よし…私も…! 


  屋上の階段を勢いよく降りていく。

  後ろからも足音が聞こえるから、みんなも付いてきているのだろう。




蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 冬葵さん 
(なまえ)
あなた
 あっ蘇枋君…なんですか? 



  校庭に出て、彼らの元へ歩いていく途中で

  蘇枋君が私の隣に来て話しかけてきた。




蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 今回は頭取、1番強い人だ、
 だから殴りかかったらだめだよ 
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 君は女の子なんだから 

(なまえ)
あなた
 うっ…分かりました… 


(なまえ)
あなた
(ごもっともでございます…)




梅宮 一
梅宮 一
 お前らはここにいろ 
(なまえ)
あなた
 …! 


  先頭を歩く梅宮さんがそう言った。

  
桜遥
桜遥
 ふざけんな
 けんかならオレにもやらせろ 
(なまえ)
あなた
 ちょっ桜君… 


  
梅宮 一
梅宮 一
 二度は言わねぇぞ 


桜遥
桜遥
 !! 
(なまえ)
あなた
 … 


  あの梅宮さんがピリついている…

  やはり人一倍元気な彼もボウフウリンの総代だ。

  名に十分な威厳はちゃんと持ち合わせている。


桜遥
桜遥
(だめだ…足が前に進まない…)
桜遥
桜遥
(さっきまでのあいつと… 
 本当に同じ人間か…?)





梅宮 一
梅宮 一
 よお兎耳山ぁいいもん持ってんな 
梅宮 一
梅宮 一
 それぁ風鈴うちのだ 
兎耳山丁子
兎耳山丁子
 うん!知ってる!! 



(なまえ)
あなた
(なんだろう…彼は…)


  目に光が宿っていない。

  何か大切なものを失っている気がする…


  それに十亀とは違う恐ろしさがある。

  
兎耳山丁子
兎耳山丁子
 おこった?おこった? 
梅宮 一
梅宮 一
 ……嬉しそうだな 



桜遥
桜遥
(あの梅宮と真正面から 
 対峙して笑ってる…)
桜遥
桜遥
(どんなバケモンだよ…)




兎耳山丁子
兎耳山丁子
 よーし梅ちゃん 


  そう言って手に持っていた風鈴生を離した。

  のびている風鈴生は勢いよく地面に倒れてしまった。

 
(なまえ)
あなた
 ……ッ! 
(なまえ)
あなた
(一発いれてやる…)


  怒りが心を満たしていくと同時に、

  片足が一歩前に出ていた。


  もう一方の足で踏み出そうとした瞬間、

  後ろから腕をつかまれた。


蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 だめだって言ったろ? 
(なまえ)
あなた
 …!…蘇枋君… 


  
  彼は呆れたように笑ったあと、

  ぎゅっと私の手を握ってきた。



(なまえ)
あなた
 …!?え、…なっ!? 


蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 気を抜くとまた行きそうだからね 
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 すぐに止めれるように( ^ᵕ^) 





  それは、そう…蘇枋君の言うことが正しいんだけど…




蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 ギュッ 



  なんで恋人握りなんだろう…





兎耳山丁子
兎耳山丁子
 タイマン!タイマン! 
桜遥
桜遥
 (落ち着きのねーヤローだな) 

梅宮 一
梅宮 一
 確かに手を出したのはウチからだ 
梅宮 一
梅宮 一
 だがなぁ…お前だって十分暴れてくれた… 

梅宮 一
梅宮 一
 気は済んだろ、これでチャラだ 

兎耳山丁子
兎耳山丁子
 え…あー…あぁそうか… 
楡井秋彦
楡井秋彦
 な…納得…した…? 



  梅宮さんの言葉に、彼はどこか呆然とした様子だった。


 
梅宮 一
梅宮 一
 早く帰った方が… 

兎耳山丁子
兎耳山丁子
 んふっ 



  その瞬間、彼は梅宮さんの顔面に向けて、

  素早い蹴りをかました。



全員
 !? 

(なまえ)
あなた
 … 

梅宮 一
梅宮 一
 ……ったく… 
梅宮 一
梅宮 一
 相変わらずせっかちだな 

兎耳山丁子
兎耳山丁子
 ニッ… 



  彼の足を、梅宮さんは片手で捕らえていた。

  頭取は不気味に笑い、後ろへ下がろうとしていたが…


兎耳山丁子
兎耳山丁子
 …!! 
(なまえ)
あなた
 ブンッ! 



  彼の顔面に向け、風を切るように拳を突きつけた。


  私の拳は髪にかすり、彼は驚いたように下がる。



兎耳山丁子
兎耳山丁子
 …君だれ? 
(なまえ)
あなた
 … 



  彼の質問にも答えず、

  無言で彼の元へ歩いていくが



梅宮 一
梅宮 一
 おいあなた…!下がっとけって 



  梅宮さんに腕をつかまれ、邪魔・・された。

  掴まれていても、私は足を前に出す。




  
梅宮 一
梅宮 一
 オレは平気だから、一旦止まれ! 

桜遥
桜遥
 おいやめとけって 
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 気持ちは分かるけど、
 君がでる幕じゃないだろ? 



  後ろから桜君たちが来て、抑えられた。

  それでも私の怒りは止まらず、

  引きずるように彼に向かっていく。

  
桜遥
桜遥
 …!!(力強え…!!) 
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
 (冬葵さん…!?) 

(なまえ)
あなた
 離せ…あいつに一発入れねぇと 
 気が済まねーんだよ



  私の目線にはあいつしかいない。

  
  そのせいで周りが見えておらず、

  自分がどう見えているのかも分からない。





  空はどんどんと暗くなり、

  冷たい空気が怒りを煽っていく。




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