酷く困惑している。
当たり前だ落ち着く匂いだなんて言われたことがない。
そして、自分も相手に対して同じことを思っているからだ。
そりゃそう反応するに決まっている。
犬の匂いだなんて言われたら悪い方向にしか捉えられない
お花の匂いとかならまだ分かるが犬。
はたから聞けばだいぶ変態発言である。
犬の匂い、いい匂い。
ボーイッシュで男の子みたいだが、これでも一応女の子だ。
事案じゃすまないような話だ。
嫌いだけど嫌じゃない、匂い、落ち着く。
そんな単語が頭をぐるぐると回る。
自分も同じである。ウォルピスのタバコの匂いは嫌いだ。
でも、嫌だって思えない、むしろ落ち着いてしまう。
確かに矛盾したことではある。
ただ、よつばというのはあまりにもツボが浅い。
変に考えすぎたりすると逆に笑えてしまうのだ。
バッサリと言ってしまった。
でも、これはよつばがウォルピスに対して警戒心が溶けたということだ。
ウォルピスはきょとんとした顔で口を開く。
話が弾む、気がつけばタバコの匂いなんて何とも思わなくなっていた。
むしろその匂いがあってほしいとまで思っている。
不思議なものだあれだけき嫌いなのにこの人に限っては不思議と嫌悪感を抱かない。
思いも寄らないような提案だった
確かにちょっと話して仲良くなったが、まさかの次の話をしている
でも、断る理由なんてなかった
会話を切り上げ部屋に戻る、とても楽しい時間だった。
また話したいと思えてしまう
ソファにドカッと座り込みスマホを手に取る
朝ご飯を作る気力がない、出前を頼むことにした












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。