第35話

thirty five
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2023/03/27 15:18 更新
「皆久しぶり。冬休みはどうだった?」


「たくさん練習できたぜ!」


「それなりだったよ」


「そうか。今日は守護霊の呪文の練習をしよう。守護霊はいざとなった時、自分を守ってくれる。そして人によって、守護霊が何か変わるんだ」








f「姫は1発で出せそうだなぁ」


g「何が出るんだろうな?」


『さぁね』









「呪文はエクスペクト・パトローナムだ。それじゃあ開始!」








放課後。


また前期と同様ダンブルドア軍団での練習が始まった。


またウィルチに鍵つけられる前に、ハリーと色んなイタズラを考えたり


今日に関しては、数ある魔法の中で1番古いものを練習する。








「いやー出ないなぁ…」


「これ最初から出る人いるのか?」









皆が苦戦する中、杖を構える。


フレッドとジョージが見守る中、周りを見ると


ロンやハーマイオニーでさえも苦戦していた。









『確かパトローナスの出し方は…』









自分の好きな、思い出を思い浮かべる事。


私の好きな思い出は、ウィーズリー家に迎え入れてもらって


パパの面白い話が聞けて、ママの美味しい料理が食べられて


何より、フレッドとジョージがいること。


2人といれば、どんなことがあっても楽しく思っちゃう。








『……エクスペクト……パトローナム。』








杖の振り方なんて、皆急に分からない。


そんなもの、普段は自分が杖を魔力に込めやすい振り方を見つけるものだから。


でも私は何故か知っていた。


両手を使って、杖を体の軸に1回転させて


優しく杖を、外に振る。


まるで、"誰か"がしていたように。









『…うわぁ!』


f「マジかよ…」


g「すげぇや!」








フレッドとジョージの読みは当たり、私は1発でパトローナスを出した。








「流石だよあなた!」


『ありがとうハリー』


「ただ……パトローナスを2頭も出すとはね…」








そう。私のパトローナスは何故か


2頭の、狼だった。









f「ふーん…」


g「なるほどねぇ」


『な、なによ』


f「いやー別に?」


g「2頭も出ちゃうなんて、姫はどんな楽しい思い出を思い浮かべてたのかなーって」


『な、なんでもいいでしょ!』


f&g「はいはい笑」









おそらくだけど、2頭出てしまった理由は


フレッドとジョージなんだろうな。









『……こんにちは。』









軽くパトローナスに挨拶をすると、狼の言葉を人間が喋ったことに驚いている様子をしていた。


この力は、パトローナスにも影響があるんだ。








『…ありがとう。出てくれて』








私がそう言うと、2匹は私に頭を下げて


元気よく走って行った。









f「それで、姫?」


g「2頭も出しちゃった原因はなんだと考えてるんだい?」


『……あーもう……2人のこと考えてたからでしょ。』


f&g「へぇー笑」


"良かったな!あなた!"


『ふふ。ありがとう、ループ』


f「ループ、久しぶりだな」


g「なんか窶れているように見えるけど…?」


『久しぶりって。あなたが窶れているように見えるって』


"うん!久しぶりだな!皆から聞いたホグワーツが狙われている件で色々ダンブルドアと話をしてさ。大変なんだ!"


『ダンブルドア先生と話をしたの?』


"あぁ!ドラゴンが狙われているから、あなたにこう伝えてほしいって言われてた!"








ループが預かったというダンブルドア先生からの伝言は、


「強い闇の魔法使いが、森に張った結界を破りに来る」


だそう。


どうしてそんなことを……


誰が結界のことを知っているの…?









『……強い闇の魔法使いが、森の結界を破りに来る…』


f&g「⁉︎」


『…ダンブルドア先生の、予言らしいよ』


f「誰だ…?闇の魔法使いって…」


g「結界のことを知っているのは、俺らと勘付いたピンクおばさんくらいだ。」


『ピンクおばさんが結界を解くように誰か雇ったのかも…』


f「うわ…」


『……もっと強い結界を張る必要がある』


g「姫、そんなことをしたら姫の魔力が出過ぎる」


f「そうだ。ヴォルデモートに更に火を吹かせることになる」


『…でも守らなきゃ。私の友達を。』


f&g「…」


『……2人が守ってくれるんでしょ?』


f&g「!」


『…私は今できることをしたい。ダンブルドア先生が頼ってくれてる。私は応えたい。2人には、私のサポートをお願いしたいな』


f「うーん…」


g「けど…」


『…だめ…?』


f&g「……」


f「姫、それはズルい」


g「そんな甘えられたら応えたくなるじゃん」


『知ってる笑』








皆が私のパトローナスを見て、現実的に思ったのか


それぞれパトローナスを生み出していった。


カワウソやウサギなど、人によって守護霊は様々。








『綺麗な鳥だね』


f「ジョージが鳥か。お前らしいな」


g「どうも。何の鳥だ?」


『カササギじゃないかな。青くて綺麗な羽が特徴だよ』


g「いいねぇ」


f「よーし。次は俺だ!」








ジョージは楽しい思い出を振り返りながら、優しい目をしてパトローナスを出した。


ジョージはカササギを出して、次はフレッドの番。









g「……俺が鳥を出したのは、姫のおかげかな」


『え?』


g「俺の思い出がさ、俺らが入学して初めての飛行授業の時覚えてる?あの時、俺とフレッドと姫が1番に箒に乗れて一緒に飛び回って先生に叱られて。」


『けどそれを見たマクゴナガル先生が、クディッチの選手に勧誘だっけ。私はその時初めてスネイプ先生に目をつけられたんだったかな。』


g「あぁ。あれは楽しかった」


f「よし!見てろよー!」








フレッドが楽しい思い出を思い浮かべる。


フレッドは徐々に何か悪いことを企む時の笑顔になって、優しく杖を振った。


すると、








f「来た!」









フレッドのパトローナスが生まれた。


フレッドのパトローナスは、折れ耳の黒猫だった。








g「黒猫だな」


『可愛い…!』


f「やーっぱり、何となくそうだろうなって思ってた」


『何が?』


f「姫が初めて俺らにキスしてくれたこと考えてたら、姫に似てる動物出るんだろうなって笑」


『フレッドのバカ』


g「ばーかばーか」


f「んだとー?」








なんて茶番を言っていると、肩に乗っていたループが何かに気づいた。









『ループ?』


f「どうした?」


g「なんかいるのか?」








そう疑問に思っていると、ドンと地響きを感じた。


それは徐々に大きくなっていく。


他の皆も異変を感じて、不安に包まれていく。


ドンと音が鳴る場所は、大きな扉の先だった。








『……』


f「…何かいるな」


g「だな」


『…フレッド、ジョージ』


f&g「あぁ。」








3人で皆の前に出て、杖を構える。


ループは扉の先に威嚇をし続ける。


私はループにそっと囁いた。









『…ループ』


"…なんだ?"


『いざとなったら、飛び出していいよ』








地響きは遂に、扉の前の鏡を割った。


ハリーとナイジェルが、扉に近づく。


小さく開いた穴から、様子を見ようとしているらしい。


ナイジェルがそっと穴から見ると、呪文が聞こえた。


その瞬間、扉が吹っ飛んだ。


扉の先には、あのピンクおばさんと親衛隊の人


フィルチに、チョウがいた。


チョウはドラコに無理やり拘束され、身動きが取れない状態になっていた。


マズい……









"お前ら!!"


『⁉︎』








肩の上でループが叫ぶと、扉に向かって走り


ループの周りにキラキラと結晶を出現させて、自身を大きなドラゴンの姿へと変えた。


本来はこれが、ループの姿。









「ま、まぁ…!」


"皆に手を出すな!!この部屋にもだ!!"


「さ、下がりなさいドラゴン!攻撃するのなら、あなたを処分します!!」


『ループ!!』








あれは、本気で殺める殺意を持った目だ。


ドラゴン特有の、目に光が入る合図があった。


止めなきゃ。








『下がって!!』


「ミ、Ms.ローズ!」


『下がってって言ってるんです!じゃないと死にますよ!』


"退くんだあなた!コイツらを殺してやる!!"


『ダメ。』


"……"








手を広げ、ループの頭に手を重ねる。


口ではなく、脳内に語りかけるようにループに言い聞かせた。









『いざとなればって言ったけど、人を殺めていいとは言っていない。』


"だがコイツらは皆を殺そうと…!"


『……近づいて。』








私はループを落ち着かせる姿をピンクおばさんに見せ、それと同時にループに囁いた。








『…いい?あなたはこの人たちから狙われている。このまま、まずここを離れるの。』


"何だって…?"


『そして、今夜ホグワーツにもう一度戻ってきて。ホグワーツを見回って、青い炎を見つけて。そこに私がいるから。』


"……いいのか?あなたを、見捨てることになる"


『…私を守るんでしょ?だったら、戻ってきて。』


"…分かった。"








ループはそういうと、飛び立って禁じられた森の方へ飛んでいった。








『……ケガは?』


「だ、大丈夫ですわ」


f&g「姫!」


『大丈夫。ありがとう』



















『……はぁ…』


「早く歩きなさい!」









ダンブルドア軍団として活動していたことがバレ、ハリー達はダンブルドア先生の元へ連れて行かれた。


どうやら聞いたところ、ハリーが先導して作った軍団をダンブルドア先生が命令して作った軍団だとダンブルドア先生が言ったらしい。


どうして私達を庇ったのかは、何となく理解できる。


ただ、私達を守るためにダンブルドア先生は学校から消えてしまった。


もう権力を握る人は、ピンクおばさんになってしまった。


私は今、ピンクおばさんに禁じられた森に連れて行かれ


結界を破るように言われた。









「あなたはあの有名なローズ家の人間です。この汚らわしい結界を解くことも、可能でしょうね?」


『…』








どうやら、結界を張った人物は私であることはバレていないみたい。


仕方ない。


ここは一度、結界を破るしかない。








『……分かりましたよ。ただ、一つ条件があります。』


「何かしら?」


『この結界を破かなければならない理由を、教えてください。』


「あなたに関係ありません」


『……なら、この結界を破って関わるわけにはいきませんね。お断りします』


「……はぁ。分かりました。この結界を破り、魔法動物と接触をするのです。」


『…そうですか。』








私は自分から聞いたものの、もう聞きたくないと拒否してしまい


最後まで聞かず、結界を破った。









『…はぁッ!』


「なんと…」


『…ふぅ。これで良かったですか?』


「えぇ。もう戻ってよろしい」


『……ウィザウィングズ!』









バックピークの別名、ウィザウィングズを呼んだ。









「ひ、ヒッポグリフ…!」


『そんなに魔法動物が苦手なのなら、禁じられた森なんかに入らなければいいのに。』


「あ、あなたはなぜそんなに動物との接触に慣れているんです…!?」


『別に魔法とか、そういう話じゃないです。ただ心を開いただけ。マグルでもできますよ』


「ま、マグルなんて名前を出さないでちょうだい!」


『…はいはい』








私はピンクおばさんを禁じられた森に残して、ウィザウィングズの背中に乗ってホグワーツに戻った。


おバカな人。


ここまでしてるのに、まだ私が魔法動物の話ができる魔法使いだって気づいていない。









"災難だったな"


『全くよ。とりあえず、また結界を張らないと。禁じられた森の別の入り口まで乗せてくれる?』


"お安い御用!"









ウィザウィングズに連れて行ってもらい、ハグリッドの家の近くにある禁じられた森の入り口に着いた。


試しに結界を、杖を使わずに張ってみる。









"何してるんだ?"


『……私がローズ家の人間で、今どこまでできるのか試してるの』








手に意識を集中させ、結界を張る。


すると、目の前に結界を張れた。


自分の身を瞬時に守れるほどの大きさだけど、結界を張れてしまった。


私は徐々に、力を強化している。


このまま、力を制御できなかったらどうしよう……









『…森全体は、杖のままでいいみたい。』









杖を構えて、また森に結界を張る。


これでまた、森は安全だろう。


ピンクおばさんはきっと、怖がって逃げただろうし。









『……あれ?』









結界を張ると、その張った本人だけが見える膜が出現する。


だけど、その膜が一瞬で消えた。


この膜が消える原因は、ただ一つ。


誰かに、結界を壊された。








「強い闇の魔法使いが、結界を破る」








ダンブルドア先生の言葉……


もしかしたら、今なのかもしれない。


私はウィザウィングズを連れて、森の中に走った。








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