第14話

門出
1,611
2024/01/12 10:00 更新









 一年後_____














 不動産屋にて







中原中也
おい、その条件じゃダメだ





あなた
えー、でも他の所は家賃高いんだもん






中原中也
オートロックは必須
中原中也
それから住むなら三階以上にしろ
中原中也
エレベーターと階段どっちも使えて
脱出経路がしっかりしてる…






中原中也
ここだな






あなた
高いよー






中原中也
初期費用は俺が出す





あなた
それでも家賃だけで破産しちゃう





中原中也
払えるようになるまでは出してやるから
中原中也
隠れ家セーフハウスは ちゃんとしたとこに住め






あなた
うーん…分かった











 独り立ちを決めたは良いが


 高校生の財力で住めるようなマンションでは


 不安だ と結局中也のお世話になってしまった


 









 中也曰く 住居を妥協しないことが



 この世界を生きるには必須なのだそう


























中原中也
家も引越しの日にちも決まった
中原中也
一安心だな







あなた
うん










 大人になれば いつかはこの家から


 出ることは分かっていた


 その時期を早めたのは自分自身だ











 でも やっぱり…







中原中也
どうした?そんな顔して







あなた
なんか寂しいなって思って






中原中也
ふ、ははははっ





あなた
なんで笑うの、!?






中原中也
いつもは生意気な手前が
あんまりにも 素直だからよ







あなた
いつも素直だもん







中原中也
嘘つくな、未だに
にんじん残そうとするくせに






あなた
それは、!
自分の感情に素直なの!


































 そして 引越し当日







中原中也
忘れもんねえか?



あなた
うん




中原中也
戸締りはちゃんとしろよ




あなた
分かってる






中原中也
夜は無闇に出歩くンじゃねえぞ





あなた
うん





中原中也
コンビニでアイス買うのは辞めろ
家が近いってバレるからな




あなた
もー、心配しすぎっ





中原中也
心配するに決まってンだろ
中原中也
大切な家族なんだから









 中也の言葉に 胸がきゅっとなる







あなた
そっか、そうだね…









 みゃぁ…





 中也の腕の中で たいやきが小さく鳴いた


















 





 ガチャリと 玄関のドアを開き


 新生活の一歩目を踏み出す








 
中原中也
あなた
中原中也
しんどくなったら
いつでも帰ってこいよ







あなた
うん
あなた
行ってきます





中原中也
おう






 あなたが外に出て ガチャリと扉が閉まる








 



中原中也
たいやき、二人になっちまったな






 みゃぁー…



















 "行ってきます" か


 それは帰ってくる奴が言う台詞


 













 ポートマフィアに居る限り


 互いに明日の命の保障は無い










 だけど…








中原中也
もし、あいつが帰ってきた時に
おかえりって言ってやれるように
中原中也
俺たちも頑張らねえとな






 にゃー






 こんな時 猫は人の気持ちが分かるようで


 たいやきは 俺の胸に 頬を擦り寄せた




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