第39話

約束 #3
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2024/04/29 15:17 更新
唇が離れると、目が合うより先に
ジュンくんの両腕が回ってきて私を抱きしめた。


ジュン
なんだか恥ずかしいな…
私の肩に顎を乗せて、ポツリと呟いている。

目の端にチラリと映るジュンくんの耳は
真っ赤になっていた。


顔を見られないようにしたんだ…。


ジュンくんの背中に両腕を回して、
ギュッと力を込める。
あなた
約束ね
ジュン
うん、約束
身体を離して、顔を見合わせて笑い合う。


まだ少し赤い顔のジュンくんが愛おしくて
今度は私の方からジュンくんの首に
腕を巻きつけて距離を狭めた。
ジュン
待って、あなた
ジュンくんが焦った顔で私を止める。
ジュン
僕、今日はこれで帰らなきゃ
あなた
えっ?どうして…
ジュン
みんなが心配してるから…
帰ってあなたとのこと報告したい。
内緒にするのも嫌だし。いいよね?
あなた
それは構わないけど…
「みんなに報告」と聞いてジョシュアのことが
頭を過ったけれど、すぐに振り払った。

今それを考えるのは違う気がしたし

それに…
あなた
そんなに急いで帰らなきゃダメなの?
時間、もうないの?
こんな状況ですぐにサヨナラっていうのは…
正直、さすがに味気なさすぎる。
ジュン
そんなに急いでないけど
ジュンくんは私の髪を撫でて
照れくさそうに言った。
ジュン
今日このままずっとここにいたら
離れたくなくなっちゃいそうだからさ。
一旦戻って落ち着きたいんだ
あなた
そっか…分かった
ジュン
ごめんあなた、そんな顔しないでよ
帰りたくなくなっちゃうから
あなた
ごめん…でも
出発までにまた会える…?
ジュン
うん、少し忙しくなるけど
少しでも時間出来たら会いに来るよ
あなた
分かった…
それじゃ、もう1回約束













それから数日。



「時間が出来たら会いに来るよ」の約束も虚しく
出発前までのジュンくんは本当に
多忙を極めているようだった。


仕事の合間にマメにカトクはくれるけれど
会う時間までは作れそうもない。


このまま出国もやむを得ないかもしれない。





仕方ない。彼と付き合うというのは
そういうことだ。
こんなことでいちいちしょげていたら
この先やっていけない。






いよいよ出国を明日に控えた日曜日の朝。





空は、私の気持ちを映したかのような
どんよりとした曇り空。


ジュンくんからのカトクは
今日も仕事であることを知らせてきた
昨夜のメッセージで途絶えている。



結局、会えないまま出国か…






沈んだ気持ちを振り切るように起き上がって
無心になろうと部屋のあちこちを片付けて
何時間も動き回った。



午後になってふと外を見ると
いつの間にか空はますます暗くなって

ポツポツと雨が降り始めていた。
あなた
冴えない天気…
そう呟いているうちに
あれよあれよと雨足が強くなってくる。


予報にはなかった大雨だ。



明日も降るのかな…
飛行機、ちゃんと飛んでくれるといいんだけど。



ぼんやりとそんなことを考えていたら
突然インターホンが鳴った。



来客の予定はないし…荷物でも届いた?
あなた
はい
???
あなた…僕だけど


聞こえてきたのは
予想もしていなかった人の声だった。

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