どうして鶴蝶さんがあんなに“仕事をしなくていい”
と言ったのか、いま理由が分かった
三途さんに連れられて危なそうな倉庫に行った
そこにはタヒ体が転がっていてとても生臭く
私はハンカチで鼻と口をおさえていた
私が三途さんに訴えているとタヒ体がピクリと動いた
そう言った三途さんは私に銃を渡してきた
覚悟を決めろと言われているようだった
三途さんはとても怒っているが
私は吐きそうなのを我慢するので精一杯だった
さすがに限界だと思った私は鶴蝶さんに電話をした
鶴蝶さんはそれだけ言うと電話を切った
その後___
電話を切ってから吐き続けている私と
痺れを切らした三途さんがタヒ体処理をしていた為
グチャグチャとタヒ体を解体する音と私の声だけが
広い倉庫のなかに響いていた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。