第28話

28, 出会いはすぐに
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2025/01/19 00:37 更新




13歳、冬。







私はいつものルーティンのように、休憩に公園を使っている。


季節は冬だから、飲み物はあたたかいココア。

あなた
……

私はココアをひと口飲んで辺りを見渡す。

1年前くらいに見た桜の木はもう葉っぱ1枚もなく、寂しげになっていた。


啓悟くんは仕事が忙しくて、最近は全然会えていない。


守るって言うのは口だけだったのかな…
あなた
はぁ…

疲れたな…色々。


今日やるべき任務はおわったしちょっとだけ…
あなた
寝るか…


私は睡魔に負けて寝てしまった。
















あなた
ん…



あれ、ベンチで寝てたはずなのに…これはベッド?




私はハッとして辺りを見渡す。


あなた
……はぁあ





目が覚めたらここどこ状態、これで何回目だろう…
あなた
あ、

すぐ近くにあったテーブルには私のココアの缶があった。

中を見てみると、もうそれは空になっていた。

あーあ、まだ一口しか飲んでないのに…。


???
公園で1人、夜にベンチで寝るなんて何て無防備なヤツなんだ
あなた
…誰

背後に気配を感じて後ろを振り向くと、ツギハギだらけの背が高い男性がたっていた。













荼毘
今は荼毘で通してる


荼毘と名乗る男。明らかに本名では無さそう。


なんか不気味だな。別に悪意は無さそうだけど…
あなた
へぇ、変わってんね!
荼毘
言っておくが、本名じゃねぇぞ?
あなた
あははっ!やだなぁ、わかってるよ…
あなた
っ…




何これ…何故か心臓がズキッとなる。

確か、前 指輪を見た時もそうだった。











…もしかしたら、消えた記憶に関する人なのかもしれない。


荼毘
俺は名乗ったんだからお前も名乗るのが礼儀じゃねぇの?
あなた
そうだね、私は相澤あなた
荼毘
へぇ、あなたか…

彼は、私の名前を聞いた途端、愛おしそうな顔をした。
あなた
…何、愛しき人の名前とかだったら気まずいよ?
荼毘
まあ、そうだな
あなた
えぇ…


気まずいじゃん、私。


彼は私をじぃっと見つめた。

荼毘
お前見てると懐かしい気持ちになる



急に変なことを言う荼毘?さん。
彼は私と目を合わせようとするが、私は必死にそらす。

何か、合わせたら殺されそう…偏見だけど。

あなた
…誰かの面影?多分私は貴方と関わったことないよ
荼毘
そうか…


何か、悲しそうな顔だな…。

あなた
……でも、
荼毘
…?














あなた
私の消えた記憶の中で貴方と関わったのかも
荼毘
何、記憶喪失か?
あなた
何か嫌味に聞こえるけど…まあ、近い感じかな
荼毘
へぇ




ふと、私は指輪の事を思い出した。

なにかのきっかけになるんじゃないかと、ずっとポケットに入れている指輪。


何かが変わるかもしれない。


あなた
私が記憶持ってる時に、これを渡されたと思うんだけど…


私はポケットから指輪を出す。

あなた
見覚えあったりする?
荼毘
…!!
荼毘
それ…





荼毘さんは指輪を見て目を見開く。

やっぱり、何か関係あるんだ。


荼毘
…やっぱりそうか…悪い、気のせいだ


そう言うと、彼は少し笑ったように見えた…のは気のせいだろうか。



あなた
…そっか


残念、違う人だったみたい。いつになったら思い出せるのか、何があったのか気になって仕方がない。

あ、もうそろそろ任務に行かないと…


私は彼の方を見る。
あなた
…私を保護?してくれてありがとう!でも、もう行かなきゃだから━━━━━
荼毘
待て


彼は私の腕を掴む。
あなた
え…?

そのまま引き寄せられ、鼻がくっつきそうだ。
あなた
あのー  何、してるの…?

初めて合った荼毘さんの目は優しい目をしていた。

昔、こんな感じの目を誰かに向けられていたような…


そう考えていると、ドアップに映る荼毘さんの顔。
荼毘
…見失わないように、印くらい付けねぇとな
あなた
何言って━━━━━


「何言ってるの?」と、質問し終わる前に、首に激痛が走った。
あなた
いっ…!!


噛み付かれたように痛い。


いや、本当に噛みつかれてる…((

荼毘
ありがとな



彼は満足したのか、すごく嬉しそうだった。

あなた
痛いんですけど…何したの?



まだ納得いかない私は、噛まれた所を手で抑える。

荼毘
さぁな
あなた
嫌われるよー?


教えてくれないのがちょっと嫌だから、少し煽り気味で言った。

荼毘
ハッ!上等だ
荼毘
お前が嫌いになっても好きにさせてみせるから
あなた
……


荼毘さん声小さいよ。

何て言ったの?

荼毘
またな、あなた
あなた
うん…




彼は私に背を向け、スタスタと歩いていった。

私はその背中が見せなくなるまで見送って、空を見上げる。


雪雲が空を覆い、太陽が全然見えない。
あなた
痛いなぁ…







私はまだ噛まれたところを抑えながら、荼毘さんとは反対方向の雪道を進んで行った。




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