第146話

Ⅰ.92話 目を逸さないでほしいから。
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2025/08/06 09:00 更新
車田先輩と交代した私。
ボールは月山国光側にあり、兵頭さんの「二ノ構!」という合図でフォワード陣営が私達の方に上がってくる。フォーメーションを変えながら、4人がかりで真ん中に集まってきたのだ。
狩屋マサキ
狩屋マサキ
来るぞ、
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
ええ!
私はすぐさま上を見上げた。
すると、大きな空調のような扇風機…フィールドの真ん中に位置する3つの扇風機が動き始めた。

相手の監督を振り返れば、何かタブレットのようなものを見ていたので、…そこに情報が載っているのだろうと推測出来る。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
さっきの風速から考えて、向きと間隔は…
狩屋マサキ
狩屋マサキ
…??
私は誰にも聞かれていないつもりで口を開いていたが、あの反応からしてマサキは何か気づいたのだろう。何いってんだコイツ…みたいな目で見てきた。
でも、そんなことを考えている余裕は無い…!
兵頭司
兵頭司
進めい!
兵頭さんの合図で竜巻に向かって進む月山国光陣営。
「月山国光炎の陣!」という声と共に、こちらへ走り込む。

拓人の指示により止めようと動く先輩達だったが、竜巻の威力が強いらしく、中々止められない。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
わ、私も…!
私も、竜巻に向かって全力疾走する。…が、私が到達する前に竜巻が消えてしまった。……あれ、私が交代した意味とは。

せっかく攻略出来るって宣言したのに、これじゃあ意味がない。段々パスを回してこっちに斬り込んでくる月山国光。
…まあでも、ここで落ち込んでる暇なんか無いよね。

一文字さんにボールが渡り、彼はシュート体勢に入る。
不本意だが、ここはマサキに任せようと思い、そのまま私は中盤の方へと走っていった。…多分中盤の方が竜巻が多そう。
狩屋マサキ
狩屋マサキ
『ハンターズネット』!!
そして、マサキはボールをカット。
月山国光陣営は「敵ながら見事だ…」と呟いていることから、悪い子達では無いのだろうなと言うことが判明する。

そのまま上がってくるマサキ。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
マサキ!パス!パス!
今度こそ竜巻を…!と思い、マサキからパスをもらおうとする私だったが、マサキはなんというかこう…ツンって感じでパスを出してはくれなかった。
そのまま相手にカットされてしまい、ボールは月山国光へ。

前から思ってたけど、マサキも多分京介と同じツンデレって奴だろうか。
どちらにせよ、信じてもらう為には信じなくちゃならないのだから、私は信じるけど…。蘭丸のお顔がちょっと怖い。

そんなことを言っている間に、ボールは南沢先輩に。
しまった…竜巻攻略するつもりでいたから、本来のディフェンスポジションに戻らないと!

再び全力疾走をする私。
ダメだ…なんか今日凄く調子が悪い!なんか走ってばっかりな気がする!!
南沢篤志
南沢篤志
行くぞ三国!お前にこれが止められるか!
嘗ての仲間、同年代同士のアツいバトル…と言えば聞こえは良いが、今は革命派とフィフスセクター派の2択という考えに縛られている2人の、派閥を掛けた勝負なのだ。
南沢篤志
南沢篤志
『ソニックショット』!
そして、南沢先輩のシュート…“ソニックショット”が。
三国先輩は“フェンス・オブ・ガイア”で対抗し、見事セーブ。

人は必ず成長する、ってことだよ。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
っと、拓人!
ボールを貰い、そのまま拓人にパスを出す。
竜巻が収まっている今のうちに仕掛ける、と言っているが、実際の所どうなのだろうか。竜巻の出る位置は、恐らくランダム。だとすれば、本当に本物の災害のような…

いやでも、流石に威力がコントロールされている筈。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
(だとすれば…)
私が考え始めていると、月山国光は今度は右に寄る。これが“三の構え”だそう。…一ノ構、二ノ構、三ノ構、…こんな上手くいく事ある?やっぱフィフスセクター側だから分かっているのだろうか。
どちらにせよ、彼らが右に寄ったということは、逆に左に竜巻が発生するのでは。

天馬にボールが渡ると、案の定竜巻が。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
……なるほど…
自分達の身を守ることは出来るけど、それじゃ同時にこっちにも筒抜けじゃないですかね。

まあでも、天馬なら…
行く手を阻む向かい風も、乗ってしまえば追い風になる、…この前特訓の時にそう言っていた天馬なら、きっと。
松風天馬
松風天馬
『そよかぜステップ』!
天馬は“そよかぜステップ”でディフェンスラインを突破。
月山国光陣営はだいぶ驚いているようだったが、同時に雷門陣営も驚き感心していた。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
……くやしい………(๑`^´๑)むぅ
私が先に攻略して、皆にドヤッ!私の能力凄いでしょ!ってアピールしたかったのに!台無しじゃないですか!!!←
……まあ、天馬が攻略出来たのは嬉しいけども…
松風天馬
松風天馬
倉間先輩!
ボールは天馬から倉間先輩に渡る。
そして、それと同時に倉間先輩はシュート体制に。
倉間典人
倉間典人
『サイドワインダー』!!!
シュートコースは完璧。
ライン上にディフェンスは0人。

入る!と思われた“サイドワインダー”のシュートだったが……
兵頭司
兵頭司
はぁぁぁあああ!我が力を見よ!
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
っっ…
嘘でしょ…、まさか、兵頭さん、貴方も………


兵頭司
兵頭司
『巨神ギガンテス』!『ギガンティックボム』!!








兵頭さんの化身、“巨神ギガンテス”による“ギガンティックボム”で、倉間先輩の“サイドワインダー”は完璧に封じられてしまう。


それから、再び竜巻が発生する。
兵頭さんはボールをそこに蹴り込み、「二ノ構」を宣言。…中央に3個、タクティクスは「月山国光炎の陣」って所だろうか。
でも、さっきの竜巻とは少し違うらしく…竜巻も動いている。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
再現度高っ
最早ほんとに災害級!?
そう思いつつも、どこの竜巻にボールが入っているのかは見逃さない。
拓人は「神のタクト」で道筋を作り、天城先輩はそこに向かおうとするが、竜巻が強すぎて動けないみたいだ。

蘭丸が向かおうとしたが、マサキがそれを追いかけた。
私も行きたい!…けど、人数が多すぎても意味がないだろう。ならば、…どちらかがボールを止めてくれるのならば、私は…!!
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
って、何喧嘩してるの!?
今小競り合いみたいなの要らないから!!そう言いたくなりそうだったが、そんな説教こそ今は要らないだろう。
そういえば昔も、今のマサキと蘭丸みたいにロンと誰かが言い合いとか色々してたっけ…と感慨深くなってしまう。けれど、ほんとにこれこそ要らなさすぎる。分かっているのに抗えない。

そして、ボールは月山国光フォワード南沢先輩へ。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
っっ…思い出してください!
貴方はサッカーが好きでしょ!?
私は、ディフェンスに間に合わないと分かった為、大声で叫び始めた。こうなったら精神攻撃だ、((
南沢篤志
南沢篤志
『ソニックショット』!
だがしかし、南沢先輩はシュートを放ってしまう。
…畜生、間に合わなかった……
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
なら、好きって現実から…
目を逸さないでくださいよ…!
南沢篤志
南沢篤志
…、…
なけなしの言葉を述べると、南沢先輩は少しだけ反応したようだった。自分でも思った以上に力の無い声に思わず頭を抱えそうになる。
こういう時、クロなら、ロンなら、…回復のお姉さんなら、なんて言ったんだろう。どんな言葉をかけてあげた?

私は気を遣うとかそういうのに乏しい。
空気読まず、分からないことは分からないっていうし、発言だってしちゃう。…自分でも、分かってる。

でも、…そらしてほしくないじゃん。
自分の気持ちから。正直な心から。…大好きなサッカーから、目を逸らしてほしくない。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
………
竜巻が邪魔をした所為で、フェンス・オブ・ガイアは不発。
南沢先輩のソニックショットにより、月山国光が先取点1点を奪取したのだった。
ーーー



そして、南沢先輩が自陣に戻っていく中、私もポジションに戻る。パパは、とりあえず自分の役目…私の場合はディフェンスを全うした後、余裕があったら攻撃に参加すれば良いって言ってたけど、今のままじゃ攻撃しなければ点は入らないだろう。

そんなことを思っていると、マサキが天城先輩に声をかけているのを見かけた。
狩屋マサキ
狩屋マサキ
俺聞いちゃったんです…霧野先輩が、あそこは天城先輩がブロックするべきだったって…
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
!?
天城大地
天城大地
はぁ!?霧野のミスだド!今のはどう見ても!
……蘭丸がそんなこと言うわけない。
狩屋マサキ
狩屋マサキ
でも、いつかの練習の時も…天城先輩は足が遅いから、自分がその分カバーして大変だからって…
マサキが言い切るよりも前に、天城先輩は蘭丸に向かって歩き出した。それと同時に、マサキはツリ目状態の笑みを浮かべたのを、私は見てしまった。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
………
本当に、信じてないんだね。仲間のことを。
天城大地
天城大地
霧野!
新生雷門イレブン
??
天城大地
天城大地
言いたいことがあるなら、ハッキリ言ってほしいド!
霧野蘭丸
霧野蘭丸
俺は何も…、っ狩屋に何か言われたんですか?!
天城大地
天城大地
狩屋は関係無いド、
今度奴らが攻めてきたら、俺が止めてみせるド!俺、絶対お前なんかに負けないんだド!
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
(あれ…)
なんか…違和感があるような、無いような。
気の所為…だろうか。

そう言われた蘭丸はマサキの所に向かおうとする。でも、拓人が「霧野、」と言いながらそれを止めた。
神童拓人
神童拓人
らしくないぞ、
霧野蘭丸
霧野蘭丸
……
神童拓人
神童拓人
狩屋が入って、今までとは勝手が違うかもしれないけど、お前なら大丈夫だ、…だろ?
霧野蘭丸
霧野蘭丸
………あぁ、
…マサキはシードじゃない。
でも、雷門を…特に蘭丸を混乱に陥れようとしているのは事実。クロのことは多分知っている、…シャドのことも。彼らとつながっている?…この前のことからして、シャドとは繋がっていなさそうだった。あるとしたらクロだけど、今更彼がそんなことする筈ない。そもそもここに戻ってくることすら難しいのがママの故郷なのだから、そう簡単に連絡を取れるとは思えないし。

つまり、本人の問題ってところかな。
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
…天城先輩っ
天城大地
天城大地
何だド?
それならば、とりあえず私は………
朱桃(なまえ:朱桃ちゃんの下の名前)
朱桃あなたの朱桃ちゃんの下の名前
蘭丸はそんなこと言ってない、
…それだけは忘れないでくださいね!
言えることだけを簡潔に言い、右サイド奥に向かっていったのだった。






ーーーーーーー




in観客席





ロキ
ロキ
あ〜あ、…これで勝ったらプリンスと…
シャド
シャド
些か不安ですね、あの2人が今会ったら…


試合を見ている2人は、続けざまにそうつぶやいた。


ロキ
ロキ
ワンチャンプリンスの記憶奪えない?
シャド
シャド
無茶言わないでください、…貴方こそプリンスに幻覚を見せられるのですか?
ロキ
ロキ
…あ〜あ、マジ怠っ…
プリンセスよりプリンスの方が最高に忌々しいんだけど、
シャド
シャド
それは貴方がでしょう
ロキ
ロキ
シャドだってそーでしょ笑
シャド
シャド
…いえ、プリンスが一番ではありませんから



そんな会話を続けていると、一人の女性が近づいてきた。



??
…ね、もしかして…
2人
………え…………?






赤い髪に、青色の瞳。…その外見は、どことなく彼と似ている。






??
??
やっぱり!ロキアスくんとシャルドスくんだよね?久しぶり!私のこと覚えてる!?アイ…










だけど、その積極的な喋り方や女性的外見で、すぐに彼ではないと悟る。…髪の長さからして違うし、外見は女性味が強い。なにより、彼が自分達にそんな満面の笑みを向ける筈がない。










ロキ
ロキ
なんで、ここに…









だけど、ロキからしたら彼女はここにいるべき人ではない。
逆にシャドからすれば、…「遂に来てしまったか」、と。





シャド
シャド
………










その二人の反応で、彼女は幾らか察したらしい。













??
??
…あ〜ね。まだ続いてたんだ、それ
2人
………
??
??
おっけ、今日は帰るよ!今度また連絡して、…あ〜、アイツに連絡すれば良い?…けど今めちゃ遠いところいるしなぁ…
シャド
シャド
…帰っていただけますか?花純かすみさん
??
??
…はいはい、分かりました分かりました!帰れば良いんでしょ帰れば!…ゆーちん見たら大号泣だってば…
でも今度連絡するからね、私の結婚式呼ぶからさ!!
シャド
シャド
………そうですか、
ロキ
ロキ
(結婚式って浮かれすぎだろ…)


何も言わず立っている二人を他所に、ご機嫌な様子で帰っていく女性。




見えなくなると、ロキは観客席にてシャドを詰め寄った。








ロキ
ロキ
で?…なんであの人がここにいるの?
シャド
シャド
…クロが居ますからね、予想は出来るでしょう
ロキ
ロキ
そーゆーンじゃねーよ!
…シャド、なんであの人の“今世の名前”を知ってたわけ?…それさ、会ったことあるってことじゃん
シャド
シャド
…クロに紹介されたことにしておいてください


そう言ったということは、クロに紹介されたわけではない。そして、それでも尚触れてほしくない、と。

そう言っていることは嫌でも伝わってきた。

ロキは唇を噛みながらシャドを睨み返す。
するとシャドは、ニッコリと微笑みながら「何か?」と言い放った。


ロキ
ロキ
…その余裕がムカつく、
シャド
シャド
貴方より何年も生きている物でして、…前世でも、そしてこの世界でも
ロキ
ロキ
………
シャドはゆっくりと目を細める。
ロキ
ロキ
…何でも良いけどさ、…下手したら潰すよ?君と違って僕にはまだあの方から頂いた力が残ってるんだ
シャド
シャド
えぇそうですね、私はあの宝石を壊された以上ただの捨て駒ですよ
ロキがそういうも、シャドは平然と喋り返した。


ロキ
ロキ
自覚してるなら良いけど。
…精々ぴあちゃんから目を離さないことだね
シャド
シャド
…ふっ、ええ、その通り。


…そう、シャドのやるべきことは、でぃすぴあことピアトルから、目を離さないようにすること。



シャド
シャド
…貴方こそ、プリンスから目を逸さないでくださいね?笑
ロキ
ロキ
は?当たり前じゃん、例えどんな立場でも、僕はプリンスを嫌いであり続けるから




挑発したように言うシャドに向かって、…今度はロキもまた、小さく微笑みながらそういった。

その笑みは、まるで自嘲するかのようにも見て取れたのだった。



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