今日は真選組で仕事がある。
なので、まぁ、行かなくて済みそうな言い訳を考えている。
そう、今日は――なんだっけ、どっかの大海賊がどっかの会社だったか、組織だったかと談合があるとかで。
それを邪魔しに行くのが仕事だ。
結局、終と一緒に周囲の捜索を任されて、港の周りを延々とうろつくことになった。
足痛い。帰りたい。
急に声を掛けられて振り返ると――赤っぽい髪の青年が、傘をさして立っていた。
夜なのに。
仮にもお巡りさんだしね。
そう言ってその人は、傘を下ろした。
俺はその人の顔を知っていた。
一瞬にして頭の中に警報が鳴り響く。
俺は刀を構えた。と同時に、白夜が顔を覗かせる。
久しぶりに、体中がビリビリする。
俺は物騒な事に――コイツと戦うのが物凄く好きだった。
俺は刀を低く構えた。
それと同じくして、神威も拳を構える。
「「今日は殺す。」」
初対面は吉原だった。
銀時が鳳仙との決戦をしている時に偶然かち合ってしまい、戦った。
それから随分時がたって――今日また再会を果たしたのだ。
俺は神威の打撃を刀で受けながら身をかわす。
が、すんでのところで拳が頬を掠って――その勢いで頬が切れた。
まぁきっと、これだけの威力があるのだ。ちゃんと当たれば、いつもなら骨身が砕けて死んでしまうだろう。
だが、白夜の目が開いている今の俺は、死ねない。
神威の右腕に、俺が振り下ろした刀が当たった。
刃が少し刺さっているが、大したダメージになっていないのだろう。
反撃が来る。
俺は後ろに跳びのいて、壁際による。
余裕ありげで癪に障るんだよなー、コイツ。
まぁ実際、このままだと多分俺は神威の拳をモロに受けることになる。
――なんてな。
後ろに下がったことで起きた砂埃に紛れて、真上に跳んだ。
それからノコノコと俺を探して壁際に来た神威の上に移動して――
神威の肩に着地し、その白い首筋に刀を近づけた。
俺は神威の肩から飛び降りて、刀を鞘にしまった。
それを見た神威は目を丸くする。
1、今日はもう引き下がり、取引も中止する事。
2、二度と取引を江戸で行わない事。
3、俺の目の前に現れない事。
そこまで言って、不意に攘夷戦争の時のことや、幼少期の記憶が頭を駆け巡った。
血生臭い、汚い、そんな景色が頭をよぎった。
俺は溜め息をついて、神威の目をじっと睨んだ。
そう言って神威は大きく伸びをすると、もと来た道を戻ろうとした。
そして何かを思い出した様に俺の方をまた見た。
そう言って神威は去って行った。
俺は切れた頬を触りながら溜め息をつく。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。