阿部side
俺には誰にも話せないある悩みがあった。
それは生徒を好きになってしまったと言うこと。
その生徒というのは、ラウールなんだけど。
圧倒的な存在感と、話した時のほにょほにょした可愛さ、とにかく全部に惹かれてしまった。
もちろん、教師と生徒、男同士であるから想いを伝える気は無い。
それでも勉強を教えたりする内に、抑えきれないほどの欲が出てきてしまった。
なんて呟いていると、
同年代の男性教師が声をかけてきた。
気分転換にお酒を入れるのも悪くない。
仕事終わり。
同僚がオススメの店があると、あるバーを紹介してくれた。
『neve』
と書かれたバー。
確かイタリア語でneveって…
カランカランと音をたてる扉。
他の客は、右手で数えられるほど。
これが俺とふっかの出会いだった。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!