第39話

演劇「月と太陽」〜第三部〜
8
2025/08/10 04:00 更新






「それでは、第三部を引き続き

    お楽しみください」










リク
リク
……大丈夫、怖くないからな
ユリア
ユリア
…っり、く??
リク
リク
…



リクはキアたちの方へ向く

リク
リク
…お前ら、灯り持っていないか?
リク
リク
あればコイツに貸してやってほしいのだが
キア
キア
え、えぇっと…懐中電灯ならありますよ!



リクに懐中電灯を渡す
リク
リク
……ほら、ユリア…光だぞ
リク
リク
ここは暗い場所なんかじゃないし、お前は今1人じゃないだろ?
ユリア
ユリア
…ッ…り、くぅっ
ユリア
ユリア
あ"っ…ゔぁっ…いたいっ
リク
リク
…無理に思い出そうとするな
リク
リク
大丈夫、お前なら大丈夫だからな
ユリア
ユリア
…っ
ユリア
ユリア
う、ん…ありがとう
レオ
レオ
すみません、配慮が足りていませんでした
ユリア
ユリア
う、ううん!!大丈夫!!
レオ
レオ
…それでその、彼は一体??
ユリア
ユリア
えっと、この人はリクって言って私の友達なの
キア
キア
友達ですか!私とレオみたいですね
レオ
レオ
そうだね
キア
キア
私はキアと申します
レオ
レオ
僕はレオです
リク
リク
…俺は、リクだ…
リク
リク
ここへは、ユアさんからお願いされた
リク
リク
…ユリアを助けてやれって


ユリア
ユリア
私の、ため??
ユリア
ユリア
あれ、でも私たちって…3年くらいの付き合い…だよね
リク
リク
っ…あ、あぁ
ユリア
ユリア
…なのに、なんで?
リク
リク
…いいだろ、別に
キア
キア
…あの、そろそろ歩きませんか?
キア
キア
私たちの姿は多分、見えている設定になってると思うんです
キア
キア
だから、ここにいたら…殺されてしまうかも
ユリア
ユリア
こ、ころされッ!?
リク
リク
…ここは戦国の世…か?
レオ
レオ
その通りです
レオ
レオ
……だからこそ、ここに長居すれば…敵と認識されてしまうかもしれない
レオ
レオ
あそこの、使われていない古い家に入りましょう
キア
キア
…ッそう、ですね!
リク
リク
……周りに人の気配はないから、早く入り込むぞ
ユリア
ユリア
…え、えっと…ここ、勝手に入ってきていいのかな?
ユリア
ユリア
不法侵入にならない?
キア
キア
大丈夫です、この時代にはまだ憲法というものはございません
ユリア
ユリア
そういう問題かな??
レオ
レオ
細かいことは気にしないでください
リク
リク
もう適当になってきてないか??
レオ
レオ
この世界ではそういうの気にしたら負けなんですよ
リク
リク
なんだそれ
ユリア
ユリア
……あ、あの…ここって、誰の家なのかな?
リク
リク
……お前らどっちかの家だろ?
レオ
レオ
え
キア
キア
な、なんでですか?
リク
リク
…お前らのここの家に入った後の行動から、ここへは何度か訪れたことがあると言うことがわかる…
リク
リク
それを踏まえると、どちらの家と考えるのが妥当だろう
リク
リク
そもそもここは、お前らの過去のセカイなんだからな
レオ
レオ
…その通りですよ、流石ですね
レオ
レオ
ここは僕らの隠れ家なんです
ユリア
ユリア
な、なにかに追われてたの??
キア
キア
……




キアは悲しげな笑みを浮かべながら、壁に触れる



キア
キア
……私は、ある村でこう呼ばれていたんです
キア
キア
"物怪"と
ユリア
ユリア
も、もののけ?
リク
リク
…言い方が悪いが、化け物…や妖怪など、人間じゃないものを指す言葉だ
キア
キア
…はい、その通りです
ユリア
ユリア
え…ッ!?…な、なんでッ!!?
ユリア
ユリア
そんなのおかしいよッ!!
ユリア
ユリア
だって、だってッ!!
ユリア
ユリア
キアちゃんは、普通の女の子なのにッ
ユリア
ユリア
なのになんでッ
レオ
レオ
…珍しい髪色をしていたから
レオ
レオ
…この時代の人は大体髪色が黒なんです
レオ
レオ
でも…
キア
キア
私は、黄色だった…
キア
キア
だから、いじめられた…だから、物怪と言われ、恐れられて…挙げ句の果てには火炙りの刑にするっていわれたんです
レオ
レオ
……この時代の人々は人の価値をこうやって見た目で判断します、ただこうやって生まれてきただけなのに、中身は全く同じ人間そのものなのに…こうやって差別してしまう
レオ
レオ
人は愚かです、それは変わりません
レオ
レオ
でも、大事なのは…見た目で判断しないで、一度その人の心を見てあげてください
レオ
レオ
……だから、ユリアさんたちも…キアのことをそんなふうに呼ばないでしょう?
ユリア
ユリア
当たり前だよ!!
リク
リク
……それだけの理由で、こんなことをするなんて…愚かにも程がある
キア
キア
…!ありがとうございます!!
レオ
レオ
……僕は、その村で巫女として祀られていたんです
レオ
レオ
でも、キアを守りたくて…キアを連れ出しました
リク
リク
……いいじゃないか
ユリア
ユリア
うん、大切な人を守るのは…とってもいいことだと思う
ユリア
ユリア
凄いよ、レオくん
レオ
レオ
……ありがとうございます










ドンドンドンドン




ユリア
ユリア
!?!?な、なに…!?この音っ
レオ
レオ
…まさか…ッ!!みなさん、逃げてください!!追手です!!
レオ
レオ
殺されてしまうッ、!!
リク
リク
……お前らは、先に逃げておいてくれ
レオ
レオ
…ッ!!な、なにを…
ユリア
ユリア
…え、りく??
ユリア
ユリア
ぁれ?な、んか…い、たい…ッ
リク
リク
…俺は剣術と武術は得意なんだ
リク
リク
だから、ここは俺に任せてくれ
キア
キア
…ッ
キア
キア
ユリアさん、行きましょう!!ユリアさん!?




キアが必死になって声をかけるも、

返答はなく、ユリアは俯き続けている

ユリア
ユリア
あ、れ…なんで…ッだろ
ユリア
ユリア
い…った…ッ
リク
リク
ッ!早くユリアを連れて行ってくれ
キア
キア
ッ!!…わ、分かりましたッ



キアはユリアの手を取って、舞台端へと向かう

ユリア
ユリア
…わた、し…はッ

















「これにて、午前の部を終わります


第四部は午後13時より開演いたします


それまでは、ごゆっくりと屋台や出し物を

お楽しみくださいませ」


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