誰も寄り付かない。
誰も話しかけない。
そんな奴が、クラスに一人ぐらい居ても
おかしくはないだろう。
だって、俺がそうだから。
そんな俺にも、唯一幼馴染の
光貴だけは、俺に声を掛けてくれる。
別に、サボりたかったわけじゃない。
たまたま登校途中、捨て猫見つけて
交番に届けてたなんて、カッコ悪くて
言えないしな。
光貴は、たまに母さんみたいな事を言う。
俺のどこを見て真面目で良い奴なんて思ってんのか知らねえけど、いつも助けられてるんだよな。
何だよ、もう…
別に、光貴に当たりたかった訳じゃない。
俺は、光貴さえ居れば、周りの奴らなんて
どうでもいいのに・・・
光貴は、優しい良い奴だから、他人の
目を気にしすぎるんだ。
それが、ムカつく。
キーンコーンカンコーン♫♫
やっと授業が、終わりか。
外を眺めると、春の温かい柔らかい風が
窓から流れた。
屋上。普通の学校だったら、昼食の
定番のスポット。
しかし、この学校は違う。
昔、うちの生徒だった女子高生が
屋上で飛び降り自殺をしたらしい…
その噂のせいで、幽霊や悪霊、
ましてや呪われるっていう奇妙な話が
あるから、誰も屋上になんて向かうやつは
そうそういない・・・
俺みたいな、無神経な奴以外は・・・
こういう行動が、みんなから
批判を受けるんだって、昔から光貴に
言われてたっけ…
思えば、めちゃくちゃ俺
幼馴染に迷惑かけてるKY男なんじゃね?
と、少しの発見を見つけながら
屋上の一番見晴らしがいい特等席の
床にドスンと腰を下ろした。
俺は、購買で買った
焼きそばパンを豪快に口に押し込むと
凄まじい勢いで平らげた。
腹も満たされたし、天気も良くて
気持ちがいいし、俺は知らぬ間に
自分の好きな歌を、大声で
口ずさんでいた。
誰もいない屋上に、俺の
とても上手とは言えないテンポのズレた
歌声が響き渡る。
ガチャ…
「ふはっ、変な歌」
「でも、めちゃくちゃ楽しそう!」
気がついた時には、遅かった。
誰もいない屋上に現れたのは、
薄い青髪をなびかせた、俺を見て
ニヤニヤ笑う奇妙な女子だった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!