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第1話

1話 誰も来ない屋上
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2021/03/19 11:38 更新
誰も寄り付かない。
誰も話しかけない。

そんな奴が、クラスに一人ぐらい居ても
おかしくはないだろう。

だって、俺がそうだから。
早坂 光貴
早坂 光貴
お〜い、京極きょうごく
そんな俺にも、唯一幼馴染の
光貴こうきだけは、俺に声を掛けてくれる。
京極 一冴
京極 一冴
どした?
早坂 光貴
早坂 光貴
どした?じゃ、ねーよアホ
京極 一冴
京極 一冴
早坂 光貴
早坂 光貴
朝からサボるとか、ほんと最低だな
京極 一冴
京極 一冴
ああ、それな・・・
別に、サボりたかったわけじゃない。
たまたま登校途中、捨て猫見つけて
交番に届けてたなんて、カッコ悪くて
言えないしな。
早坂 光貴
早坂 光貴
お前さ、見た目がそれなんだから
サボりは良くねえよ
早坂 光貴
早坂 光貴
お前、本当は真面目ちゃんで
良い子なんだから、そんなことするなよな
京極 一冴
京極 一冴
ああ…悪い
光貴こうきは、たまに母さんみたいな事を言う。
俺のどこを見て真面目で良い奴なんて思ってんのか知らねえけど、いつも助けられてるんだよな。
女子
女子
ヒソヒソ…
早坂 光貴
早坂 光貴
男子
男子
ああ、サボりだってよ
女子
女子
これだから、不良が居ると
嫌なのよ…ブツブツ
早坂 光貴
早坂 光貴
場所、変えるか?
京極 一冴
京極 一冴
いいよ、別に
早坂 光貴
早坂 光貴
でも!
京極 一冴
京極 一冴
良いって言ってんだろっ!!
女子
女子
うわー、大声出してる
怖ーい
男子
男子
離れようぜ…
早坂 光貴
早坂 光貴
京極 一冴
京極 一冴
じゃあ、俺
先に教室戻ってるから
早坂 光貴
早坂 光貴
ああ
何だよ、もう…

別に、光貴に当たりたかった訳じゃない。
俺は、光貴さえ居れば、周りの奴らなんて
どうでもいいのに・・・

光貴は、優しい良い奴だから、他人の
目を気にしすぎるんだ。

それが、ムカつく。


キーンコーンカンコーン♫♫
京極 一冴
京極 一冴
ハア・・・
やっと授業が、終わりか。
外を眺めると、春の温かい柔らかい風が
窓から流れた。
京極 一冴
京極 一冴
よし、今日は屋上で
食べるか・・・
屋上。普通の学校だったら、昼食の
定番のスポット。

しかし、この学校は違う。
昔、うちの生徒だった女子高生が
屋上で飛び降り自殺をしたらしい…

その噂のせいで、幽霊や悪霊、
ましてや呪われるっていう奇妙な話が
あるから、誰も屋上になんて向かうやつは
そうそういない・・・

俺みたいな、無神経な奴以外は・・・
京極 一冴
京極 一冴
死んだ幽霊なんて知るか
京極 一冴
京極 一冴
俺は、好きな場所で昼飯を
食ってやる
こういう行動が、みんなから
批判を受けるんだって、昔から光貴に
言われてたっけ…
京極 一冴
京極 一冴
・・・
思えば、めちゃくちゃ俺
幼馴染に迷惑かけてるKY男なんじゃね?

と、少しの発見を見つけながら
屋上の一番見晴らしがいい特等席の
床にドスンと腰を下ろした。
京極 一冴
京極 一冴
やっぱ、屋上は風が抜けて
気持ちが良いな
京極 一冴
京極 一冴
本当は、他の奴らも
ここの場所で、昼ごはん
食いたいんだろうな?ハハハ
俺は、購買で買った
焼きそばパンを豪快に口に押し込むと
凄まじい勢いで平らげた。
京極 一冴
京極 一冴
プハッ…ふう
腹も満たされたし、天気も良くて
気持ちがいいし、俺は知らぬ間に

自分の好きな歌を、大声で
口ずさんでいた。

誰もいない屋上に、俺の
とても上手とは言えないテンポのズレた
歌声が響き渡る。
京極 一冴
京極 一冴
〜〜♫
ガチャ…
京極 一冴
京極 一冴
〜♫
「ふはっ、変な歌」

「でも、めちゃくちゃ楽しそう!」
京極 一冴
京極 一冴
〜♫
京極 一冴
京極 一冴
っ!!
京極 一冴
京極 一冴
なっ、誰だ!!
気がついた時には、遅かった。
誰もいない屋上に現れたのは、

薄い青髪をなびかせた、俺を見て
ニヤニヤ笑う奇妙な女子だった。
白玉 悠里
白玉 悠里
私、あなたの声
気に入った…
白玉 悠里
白玉 悠里
ねえ、隣で聞いてもいい?

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