第4話

4,同じクラス、隣の席
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2026/05/25 08:00 更新
教室のドアを開けると、すでにそこには朝の喧騒が満ちていた。

自分の席へ向かうと、前の席に座る仗助くんと億泰くんが、珍しく早い到着でこちらを振り返る。

「お、あなたが来たぞ」

「 今日はいつもより遅かったじゃねーか」

「……あはは、ちょっと色々あってね」

私は曖昧に笑って、カバンを机に置いた。

「なあ、今日転校生が来るらしいぜ。どんな奴か知ってるか?」

仗助くんの問いに、私の脳裏にはあの端正すぎる横顔が浮かぶ。
正直に「隣の家の人だよ」と言おうか迷ったけれど、彼のような浮世離れした美少年と隣人だなんて、変な噂が立つのも少し怖い。

「登校中にすれ違ったよ。……見たことないくらいの、すごいイケメンだったよ」

「へぇ〜、イケメンかよ」

興味を失ったように億泰くんが鼻を鳴らし、話題が別の方へ移ったところで、予鈴のチャイムが響いた。

ホームルームが始まり、担任が教卓を叩く。

「よし、今日は転校生を紹介するぞー。入ってこい」

教室中の視線がドア一点に集中する。
現れたのは、朝別れたばかりの、あの彼だった。

「皆さん、はじめまして。支倉未起隆です」

その声が響いた瞬間、クラスの女子たちの間に黄色い悲鳴のようなざわめきが広がった。
けれど私は、ただポカンと口を開けて彼を見つめることしかできない。

(まさか、本当に同じクラスになるなんて……!)

「じゃあ、支倉の席はネミの隣な。ちょうど空いてるし、そこでいいだろ」

先生の何気ない一言が、私の心臓を跳ねさせる。

「あ、お隣さん!」

未起隆くんはこちらに気づき、その無表情な顔に弾んだ声で私を呼び、彼は迷いのない足取りでこちらへ向かってくる。
その瞬間、教室中の視線が痛いほど私に突き刺さった。

驚きと、困惑。そして、ほんの少しの喜び。
「お隣さん」という言葉が持つ特別な響きが、嵐の前触れのようにクラスの空気を震わせていた。

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