第2話

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2024/04/18 21:17




一定の音で鳴る機械音、少し苦手な匂いで私は気がついた。





私は病院で、ベッドに横たわっている。







「 市川さん、気が付きましたか? 」



知らない女の人の声がする。




『 …すみません、ここは病院ですか、? 』




「 はい、市川さんは、交通事故に巻き込まれて搬送されたんです。今生きていることが、奇跡なんですよ。 」




『 奇跡… 』




私は上体だけ起き上がると、少し体に痛みが走った。



それから、視界は真っ黒なままだ。






『 すみません、目の包帯を外してもらえませんか 』



「 … 」




『 あの、 』






私は顔に触れると、呆然とした。



包帯など、なにも施されていない。










「 今、こうして生きていることは奇跡ですが、市川さんの目は見えなくなってしまいました 」




私の手に、水滴が落ちてくる感覚はたしかにあった。


これは私の目だ。






でも、いくら目を開けても、瞬きをしても、黒以外の色が見えることはない。










『 あの、私…、 』





言葉にならない言葉を紡ごうとするも、無駄な足掻きだった。





私は、あのひとのことを思い出した。










これでもう、本当に会うことはなくなったんだ、と。


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