小柳さんの言葉に飲み込もうとした水を
少しだけ詰まらせ 、 ゲホッと咳を出す 。
いきなりの指名に驚いていると赤城くんは続けた 。
実に眩しい笑顔で言われる 。
その笑顔を真正面から見るには少しだけ恥ず
かしかったのでメニュー表を指さす 。
言おうとした瞬間に店員さんが来て 、 メニューは
お決まりですか ? と聞かれる 。
やば 、 と慌ててメニューを見る 。
此方を見ていることは分かったが 、 見ることが
出来なくて下を向く 。
奏斗が去ったあと 、 ふうと一息つく 。
また笑顔を浮かべ 、 この人には笑顔が無い日
なんて無いのかと思い始めた 。
分からなかった 。
この人は私の何を見て感情豊かだと思って
いるんだろう 。 それと同時にこのままでも
良いのかな 、 なんて考えがよぎった 。
少しだけ頬が緩んで 、
少しだけ笑えた気がした 。
厨 房











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。