第58話

2-12
1,349
2024/04/20 09:30
あなた視点
あなた
私が、病気?
zm
ゾムは深刻そうな面持ちで病状について話し始めた
私はその事実を受け入れられないでいた
あなた
いやだ、ちがう
あなた
私は何もない
あなた
全部、全部覚えてる
zm
…っ
どうして、どうしてそんな顔するの?
あなた
ゾム!!!!
ガラッ
病室のドアが開いた
医者
医者
…あなたの名字さん
あなた
センセイ
あなた
ゾムが、ゾムが私が病気だっていうの
あなた
私が、記憶の病気だって
私は混乱している意識の中で先生に言いつける
医者
医者
私から言ったんです
あなた
え…
医者
医者
佐藤さんに、あなたへ病気のことを伝えてほしいと言ったのです
あなた
…!!
神憶病…
それから先生は私に詳細を話し始めた
どうやら昨日私は記憶障害を起こしたらしい
私はそんなの、覚えてなかった
でも、この病気を放っておくといつか全ての記憶を失ってしまう可能性がある
けれど、克服するには原因となった『トラウマ』の記憶を思い出さないといけないのだ
『トラウマ』の記憶なんて、あったのかな?
自分自身に問いかけてもよくわからなかった
あなた
…ただいま
zm
ただいま
私たちはとりあえず家に帰れることになった
帰り道、私たちは沈黙の中を過ごした
zm
あなた
あなた
なに?
zm
……
ゾムは一瞬気まずそうに目を逸らしたが、すぐに私に向き合った
zm
はよ、荷物置いてらリビング来てや
あなた
え…
zm
そう言ってゾムは自分の部屋に荷物を置きにいってしまった
なんだろう、この光景どこかで見たことある
まあ、いいか
私は荷物を自分の部屋に置き、リビングへ向かった
zm
あなた
あなた
…なに?
微妙に気まずい空間の中、ソファーに座るゾムが自分の隣を指差す
座れってことだろう
私はソファーに腰掛けた
zm
…足りない
そう言ったゾムは私を横から抱きしめた
あなた
ゾ…
zm
あなたが、足りない
そういえば、なぜかここ数日こうやってゾムと過ごす時間が短かったかもしれない
あなた
私も足りないや
彼の温かい温もりを肌で感じる
抱きしめられる手は優しさに溢れていた
zm
あなた
ゾム
zm
ん?
あなた
私、向き合ってみるね
あなた
『トラウマ』ってやつ
zm
俺、なんも役に立たてへんかった
zm
ごめん…
捨てられた子犬のような目で私を見る彼は愛おしい
あなた
ゾムがいてくれたから、昨日の私から戻れたんだよ
あなた
ありがとう、ゾム
zm
ゾムはいかにも思いもよらなかった言葉に目を見開いている
あなた
なによ
zm
んーん、あなたが可愛すぎて
zm
気が狂いそうや
あなた
ばか/////
なんでそんなこと平気な顔して言えるのだろうか
zm
だーいすきやで、あなた
あなた
ゾムは、私が全部忘れちゃっても平気でいられる?
zm
…昨日、あなたが俺のこと忘れちゃって
zm
平気…ではいられんかった
あなた
zm
でも、俺はあなたが全部、全部忘れたとしてもあなたのことが好きや
zm
大好きや
彼のまっすぐな言葉はいつだって私を満たしてくれた
だから、私も…
トラウマに向き合おう
次回→♡120

更新遅れすぎててごめんなさい
前も宣伝した気がしますが、、
zmさん推しの方ぜひ…!!
(こっちは現在毎日投稿できてます)

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