あなた視点
ゾムは深刻そうな面持ちで病状について話し始めた
私はその事実を受け入れられないでいた
どうして、どうしてそんな顔するの?
ガラッ
病室のドアが開いた
私は混乱している意識の中で先生に言いつける
神憶病…
それから先生は私に詳細を話し始めた
どうやら昨日私は記憶障害を起こしたらしい
私はそんなの、覚えてなかった
でも、この病気を放っておくといつか全ての記憶を失ってしまう可能性がある
けれど、克服するには原因となった『トラウマ』の記憶を思い出さないといけないのだ
『トラウマ』の記憶なんて、あったのかな?
自分自身に問いかけてもよくわからなかった
私たちはとりあえず家に帰れることになった
帰り道、私たちは沈黙の中を過ごした
ゾムは一瞬気まずそうに目を逸らしたが、すぐに私に向き合った
そう言ってゾムは自分の部屋に荷物を置きにいってしまった
なんだろう、この光景どこかで見たことある
まあ、いいか
私は荷物を自分の部屋に置き、リビングへ向かった
微妙に気まずい空間の中、ソファーに座るゾムが自分の隣を指差す
座れってことだろう
私はソファーに腰掛けた
そう言ったゾムは私を横から抱きしめた
そういえば、なぜかここ数日こうやってゾムと過ごす時間が短かったかもしれない
彼の温かい温もりを肌で感じる
抱きしめられる手は優しさに溢れていた
捨てられた子犬のような目で私を見る彼は愛おしい
ゾムはいかにも思いもよらなかった言葉に目を見開いている
なんでそんなこと平気な顔して言えるのだろうか
彼のまっすぐな言葉はいつだって私を満たしてくれた
だから、私も…
トラウマに向き合おう
次回→♡120
更新遅れすぎててごめんなさい
前も宣伝した気がしますが、、
zmさん推しの方ぜひ…!!
(こっちは現在毎日投稿できてます)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。