No side
異変の始まりはいつだったか
もう覚えていない
気づくのが遅くなってしまった
何故今まで気付かなかったのだろうか
こんなにも大きな異変に
ある孤児院
そこでは乱闘が巻き起こっていた
両面宿儺
それは器を利用し、現れた
特級案件に異例の呪術高専一年派遣
宿儺の器であった虎杖悠仁は
その肉体の主導権を一時的に両面宿儺へと受け渡した
それが駄目だった
両面宿儺は虎杖悠仁が肉体の主導権を再び握る前に
その心臓を投げ捨て
駄目押しとしてもう一本"指"を飲み込んだ
今虎杖悠仁が肉体の主導権を握れば
虎杖悠仁は間違えなく息絶えるだろう
人間の肉体は決して万能ではない
心臓が無くなれば当然死んでしまう
それに対峙していたのは伏黒恵だった
伏黒恵は如何にかして両面宿儺に虎杖悠仁の心臓を治させようと
両面宿儺と対戦するがその考えは簡単に両面宿儺に見破られてしまった
伏黒恵はその後『魔虚羅』を使おうとするが
その直前に虎杖悠仁が肉体の主導権を再び握った為
使わなかった
そして、心臓を無くし死にゆく虎杖悠仁は伏黒恵に言う
その言葉は呪いとなり得る
虎杖悠仁がそれを分かっていたかは誰も分からない
虎杖悠仁の息は絶え、その場には伏黒恵ただ一人が残った
そして、虎杖悠仁を担ぎ、釘崎野薔薇と補助監督のいる
車へとその足を進める
否、一人ではなかった
もう一人、その会話、戦闘を傍観していた者がいた
少女の謝る声は吹いた風に掻き消され
誰の耳にも届かなかった
その少女の空色の髪も
アメジストの様な紫の瞳も
誰も見る事を許されない
風が吹き、木の葉が舞い落ちる
その刹那少女は淡い光に包まれて虚空へと消えた
少女がさっきまで立っていた所には
魔法陣の様なモノが白く光輝いていた
そしてまた、伏黒恵にかけられた特殊結界も
誰にも悟られる事なく消えていった
とある時空の大図書館
その奥深くの部屋の机の上
一冊の本が開かれていた
孤児院にて、虎杖悠仁
両面宿儺によって心臓を無くし死亡
元凶は呪術界の上層部と見られる












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!