私が見たのは
ぐったりしている人達、
血を流して倒れている人達。
レジャーシートの上に横たわってる人達、
救急セットを持っている人達、
乾パンを食べている人達。
兄は高一だからか、説明がとても分かりやすかった。
おばちゃんは、ボランティアの人らしく、
災害などで体育館に避難する事になったら
いつもここで食料などを配ってるらしい。
私たちは協力して空いてる場所にレジャーシートを敷いた。
随分とたくさんの人が来ていて、暑苦しかったが、
体育館が広いこともあって空いてる場所はたくさんあった。
兄は食料の事ではなく、父と母の事を気にしてるらしい。
よっぽど寂しいのだろう。
その時だった。
体育館のスピーカーから、ラジオが流れた。
震度6強の地震。
この頃の私はこんな大きな地震は初めてだった。
私の瞳から、再び涙が頬を流れた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!