第116話

たったひとつの願い
970
2023/10/28 14:49
(なまえ)
あなた
!斗亜…

斗亜
斗亜
…おばさん、あなたのことは斗亜に任せてください

母(え…?)

斗亜
斗亜
大丈夫やから、笑

母(…わかったわ、お願いね)

(なまえ)
あなた
…、


ママが向こうへ行き、斗亜は「とりあえず座り?」と言って私をイスに座らせてくれた。


斗亜
斗亜
…斗亜も西村くんに会っておいてって言われて来たんよ


斗亜は「大変やったなぁ」と私の頭に手をぽんと置く。


(なまえ)
あなた
…私は…大変じゃないよ…
(なまえ)
あなた
拓哉くんがケガしたのは…ぜんぶぜんぶ
(なまえ)
あなた
ッ私を守るためだったのに……
斗亜
斗亜
(なまえ)
あなた
このまま目が覚めなかったら…
一緒にいたことが全部ッッ
(なまえ)
あなた
間違いになりそうで…嫌なの…ッッ!泣


……ごめんなさい。
ごめんなさい。



命がけで、守ってくれたのに…っ


斗亜
斗亜
" ……間違いやないで "


…え…?


斗亜
斗亜
斗亜は西村くんに感謝しとるで?

斗亜
斗亜
あなたのこと守ってくれて、うれしいで 笑

(なまえ)
あなた
…!

斗亜
斗亜
やから、伝えたい…
斗亜
斗亜
「あなたを守ってくれてうれしいで」って
斗亜
斗亜
「ありがとう」って言いたい

(なまえ)
あなた
っ……


私は斗亜の腕に包まれながらボロボロと涙を流した。


斗亜
斗亜
あなたが起こせば飛び起きるんちゃう?笑
斗亜
斗亜
見てきてくれる?



(なまえ)
あなた
……うん…っ
(なまえ)
あなた
……まってて… 


ガラ…と扉を開けて集中治療室へ入る。

(なまえ)
あなた
……

ベッドの上には、傷だらけの拓哉くんの姿。

(なまえ)
あなた
っ……拓哉くん、起きて

拓哉
拓哉
……

(なまえ)
あなた
斗亜が……私もね…?
伝えたいことがあるの
(なまえ)
あなた
ッだから…
(なまえ)
あなた
早く起きて……ッッ 泣


私は、拓哉くんが起きることを信じて待った。




.




.


サラ…と髪を優しく撫でられているような感覚で目が覚める。


(なまえ)
あなた
ん…



…あれ、私いつの間に寝て____…

……?髪…撫でられる…?






" …目ぇ "
" 覚めて… "



(なまえ)
あなた
…!!




" いっちゃん最初に…… "


" 好きな人に会えるって… "


" …やっぱすげー幸せ…… "




拓哉
拓哉
…やわ ニコッ




最終話まで…残り1話

プリ小説オーディオドラマ