母(え…?)
母(…わかったわ、お願いね)
ママが向こうへ行き、斗亜は「とりあえず座り?」と言って私をイスに座らせてくれた。
斗亜は「大変やったなぁ」と私の頭に手をぽんと置く。
……ごめんなさい。
ごめんなさい。
命がけで、守ってくれたのに…っ
…え…?
私は斗亜の腕に包まれながらボロボロと涙を流した。
…
ガラ…と扉を開けて集中治療室へ入る。
ベッドの上には、傷だらけの拓哉くんの姿。
私は、拓哉くんが起きることを信じて待った。
.
.
サラ…と髪を優しく撫でられているような感覚で目が覚める。
…あれ、私いつの間に寝て____…
……?髪…撫でられる…?
" …目ぇ "
" 覚めて… "
" いっちゃん最初に…… "
" 好きな人に会えるって… "
" …やっぱすげー幸せ…… "
ー
最終話まで…残り1話
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。