第44話

34.
771
2023/09/08 15:00 更新
さて。


時の移り変わりは早いもので、あっという間にもうU‐20戦である。
時の移り変わり、季節の移ろい、四季の美しさやらそれっぽい言葉を並べてみても、僕はこの数週間仕事しかしていないからそんなモノは無意味でしかないんだけども。ブラック反対。なおこの言葉はあくまでもブラックな労働環境を生み出した日本サッカー協会に向けたもので絵心先輩の人使いの荒さには特段関係ないものもする。特定の人物にだけ喉を鳴らすお猫様っていうのもシンパシー感じていいものだ。
このやっと終わったと言い叫びたくなるような達成感にいいのは凛か?アンリちゃんで遊んでもいいんだけど、アンリちゃんもアンリちゃんで忙しそうだった事だし、放っておいてあげよう。なんだ、僕って優しいじゃん?
(なまえ)
あなた
やっほ〜ブルーロックス。体調悪くないよね
潔世一
潔世一
!あなたさん!お久し振りです!
蜂楽廻
蜂楽廻
あなた〜ッ!元気元気!!あなたは?
(なまえ)
あなた
元気元気。
ところで凛。ご機嫌悪そうだね
ロッカールームに入った瞬間腰にしがみつく廻を引き剥がさずに動く。
僕の動きに頑張って連動する廻が面白いからブルーロックに来てからの僕の新しい趣味としてインプットされたその行為。される方も慣れたならもちろん、する方も慣れるもので、最初は聞こえてきていた文句なんて今は毛ほども感じない。人間の習得した技巧が適応で良かったと思う。
そして視界の端で放たれる暗黒のオーラの方を見やると、まぁ当然のように凛がいる訳だ。兄貴大好きな凛ちゃんは冴が龍聖を選んだことが死ぬほど気に入らなかったご様子。とっても可哀想で可愛くてにこにこしてしまう。冴は冴で考えがあるんだろうが、弟の事くらいちゃんと抱えていって欲しい。それよりも今の方が面白いから別に本気では無いのだが。
糸師凛
糸師凛
…………あなた、来るのがおせぇぞ
(なまえ)
あなた
まーまーそんな事言わないでよ凛。ここで来れただけ、僕の頑張りが現れてるっていうものなんだけど。
糸師凛
糸師凛
うるせぇ。
(なまえ)
あなた
凛のことは信用してるんだよ?これでも。
僕の周りの人間って皆めんどくさいからさ、まともな方の凛は貴重なの
少なくとも僕に出会うまで続いていた、凛の冴への執念は予想以上だった。だから、冴への矢印と僕への矢印、凛にとっては冴の方が大きいんだろう。比較的としか言いようがないが、皆が1だと過程した上で0.5の凛は一緒にいて結構楽。僕にとっての凛の利用価値はそれだけの理由に過ぎない。


疲労状態の僕は言葉を選ぶ機能が退化しているからどうしても言葉は足りなくなる。そこを察する能力がちょっと足りない凛との会話はここら辺が限度だろうか?
(なまえ)
あなた
じゃ、先輩。
ベンチでの支援、頼みます
絵心甚八
絵心甚八
おー、あなたは客席から支援してくれんでしょ?
(なまえ)
あなた
支援なんてできませんよ。
今の見送りくらいしか
絵心甚八
絵心甚八
…まぁいいや。
丁度いいからベンチまでの所まで来る?知り合いいるんでしょ
(なまえ)
あなた
んんん……どうしましょうねぇ。
冴はともかく、愛来がめんどくさいですし…
蜂楽廻
蜂楽廻
え〜、ギリギリまで一緒にいよーよ!ね、あなた!
(なまえ)
あなた
……それで少しでもリラックスできんの?廻
蜂楽廻
蜂楽廻
うん!
(なまえ)
あなた
…先輩、じゃあ少しだけ
絵心甚八
絵心甚八
ほーい
我ながらチョロいとは思ってはいるが試合のためという大義名分が出来たのだ。仕方ない。もうちょい一緒にいてやろう。
決して休みたい、こいつらと話していたい訳では無い事を理解してもらいたい。誰に言ってるんだか。
千切豹馬
千切豹馬
あなた、体調は?
(なまえ)
あなた
ここ最近の連勤に対してなら、全然問題ないよ。
ありがとう、千切。
(なまえ)
あなた
さんはどうした?さんは
千切豹馬
千切豹馬
げ、バレないかと思ったんだけど…
(なまえ)
あなた
………勝ったらね?
千切豹馬
千切豹馬
マジ?
(なまえ)
あなた
大マジ
凪誠士郎
凪誠士郎
え?勝ったら呼び捨てOKなの?
(なまえ)
あなた
凪もかよ
BLブルーロックスキンシップ二大巨頭の1匹が来た(ちなみにもう片方は廻)。
おそらく御影が原因であろうこの距離感は僕に発揮されるべきではないとは思うが、こいつが自分の意思でやっているというのなら有難く頂こう。それにしたって試合開始数分前の今には緊張感がないとは思うが。
そこがいいところでもあるんだ、凪の。
絵心先輩の話、いつもの如くフットボールへの愛を感じる話を聞いて気合を入れるブルーロックスがベンチへと歩くそのあと。ついて行くように歩みを進めた先にはついこの前、見た面々。
音留徹平
音留徹平
あ、来た来た青い監獄ブルーロック
U‐20アンダートゥエンティ日本代表11傑イレブン
今回の敵チーム。
そして、冴と愛来、龍聖が暫定在籍しているチーム。
糸師冴
糸師冴
……………
(なまえ)
あなた
……………
わー冷たい目。
なんで僕がこっちにいるのかと言いたげな…
ウィーアー人類。心変わりは仕方ないって言ったのに。嫉妬深くて可愛らしいとは思っている。思っては。そこは僕自慢のポーカーフェイスの出番であろう。いつでもポーカーフェイス。どこでも麻雀できます、なんて、冗談を吐いてみたりして。
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
随分とぶっちょ面デスネ、あなた。
(なまえ)
あなた
僕に対して敬語使えないなら良いって。
ニヤニヤがウザイよ刺されてくれ愛来
千切豹馬
千切豹馬
知り合いか?
(なまえ)
あなた
断じて違う
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
家族は知り合いじゃないと…
(なまえ)
あなた
家族は家族でしょ
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
ツンデレですかあなたサン
(なまえ)
あなた
黙れ
千切豹馬
千切豹馬
………何となく理解した
(なまえ)
あなた
説明の手間が省けてありがたいね
察しのいい子は嫌いじゃない。察してるフリして察してない癖に何も聞こうとしない馬鹿は嫌いだが。
色んなとこのお偉いさんとかそういうタイプが多い気がする。都合のいいことしか聞こえない耳がある、というか。むしろ標準装備?
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
あなたはそっちで元気にやってんの?
潔世一
潔世一
え"、何ですか…?
(なまえ)
あなた
こらそこ。
ウチの潔に絡まない
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
…かわいー♡
(なまえ)
あなた
ぶっころ
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
いやー、あの糸師冴と付き合ってるなんて報告された時にはそっちかと驚いたもんだが、それから反応が可愛くなって何よりだよ。男でも知ったのか?
(なまえ)
あなた
セクハラにも程があるよ、兄貴。
取り敢えず一発殴らせて欲しいんだけど
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
清く正しい兄弟の恋バナに暴力を持ち込むのかよ
(なまえ)
あなた
どこが清く正しいだよケダモノ。
そろそろ時間だろ。そのどれだけの女の唇奪ってきたのか知れない口縫い付けて精々頑張って試合に望むんだな。
オリヴァ・愛来
オリヴァ・愛来
ひっでー。
まぁまぁ、ゼロ点で終わらせてやるよ
(なまえ)
あなた
…ブルーロックイレブン?
忠告しとくとこいつ、面倒だから
糸師凛
糸師凛
…今だけだろ、色々とほざけるのは
さっきまで冴しか見てなかった凜が何言ってるんだか。でもまぁ、一応凛を中心としてチーム編成を組んだ僕と絵心先輩からしたら有り難い心がけだ。やる気ってのは程々に。適度に雑念が入っていた方がむしろベストなパフォーマンスを披露できるんだ。僕たちですら仕組みを解明できない、強いて言うなら本能としか言いようのない、フィールドの魔法というモノに総員まんまと引っかかってもらいたいものだよね。
さて。
こいつらはこいつら。僕は僕。

それぞれの仕事を全うするのがお互いにとって最善。
烏旅人
烏旅人
フン、流石に昂るわ
乙夜影汰
乙夜影汰
うん。
爆アゲ
雪宮剣優
雪宮剣優
いいねこのカンジ
蟻生十兵衛
蟻生十兵衛
オシャ震いがする
蜂楽廻
蜂楽廻
じゃ、行ってくんね、あなた!


(なまえ)
あなた
行ってらっしゃい。
楽しんでね。




光り輝くフィールドに上がっていく愛しいフットボーラー達の背中を見ながら、漠然と思う。



心底サッカーに惚れている、と。

プリ小説オーディオドラマ