Murder side
笑顔を浮かべたままそう言い放った蝶の髪飾りのニンゲン。
二回手を叩き、口元を隠したニンゲンを呼んだ。
竈門、というニンゲンが騒いでいると、どこからが小石が飛び、そいつの顔面にぶち当たる。
あいつの持ってる石にヒビ入ったな、とんだ馬鹿力だ。
そうニンゲンに告げ、此方に向き直ったお館様というニンゲン。
一体このニンゲンは何を言っているんだ?
俺たちが今日存在を知った場所で、今生きているニンゲン共の為に、戦えと?
一番最初は、石油野郎と傷のやつが戦うことになった。
審判は蝶の髪飾りを付けたあいつ。
双方、武器を構える。
始まった瞬間、刀を抜き攻撃を真正面から仕掛ける傷のやつ。
それを軽く避ける石油。
"ちかみち"を使い、傷のやつの背後に瞬間移動をした石油は、ナイフを手に取り、傷のやつの心臓を狙う。
その事に気付き、距離を取ってギリギリの所で避ける傷のやつ。
石油は笑みを浮かべたまま傷のやつを追いかけ、攻撃する隙も与えず幾つものナイフを出現させ傷のやつを狙う。
避けるのを繰り返す傷のやつは、強行突破をしようと刀で向かってくるナイフを全て弾き返し、走って石油の元へ。
刀を思い切り振り、石油を完全に斬った気でいる傷のやつ。
勝った気でいる傷のやつに先程よりも口角を上げ、そこらに転がっているナイフを重力操作で操り、傷のやつの首を切る寸前で止めた。
ふん、と笑みを無くしギロリと傷のやつを睨みつける石油。
傷のやつの攻撃を笑い声を上げながら避ける石油。
準備運動を始めるHorror。
骨で造られた斧を取り出し、野球の如く素振りをし
と、気合いを入れた。
今度は先程とは逆にHorrorから先に攻撃を仕掛ける。
地面からエビフライのやつを閉じ込めるかのように尖った骨を出現させる。
刀から炎が出たと思いきや、刀を下から上に振るい骨を全て斬るエビフライのやつ。
それを見てより一層口角が上がるHorror。
ろくな事考えてねえな彼奴。
今度はHorror自身が攻撃を仕掛けようと近付き、斧を振り上げる。
それを刀で受け止めるエビフライのやつ。
Horrorの力は強い。闇AUでも上位に入る程だ。
力比べだなこりゃ。
そしてHorrorはその間にエビフライのやつの背後から青く染まった骨を生やす。
それは見事にエビフライのやつの背中を貫いた。
それもその筈。
そいつは相手が動かない限りダメージなんて入らない。
だがそんなこと知らないエビフライのやつは片手で刀を持ちもう片方の手で骨を引き抜こうと動くが、それのせいでダメージが入る。
Horrorは自分とエビフライのやつの周りに無数の骨を浮かし、狙いを定める。
そう審判が言うと、Horrorは骨を全て仕舞う。
俺は泣いてるやつの顔をギロリと睨む。
今度は両者とも動かない。
俺らから見ても特殊な武器を振り回し、こちらに投げる。
それを避け、取り敢えず骨投げるか、と軽い気持ちで先端の尖った骨を無数に投げる。
それは全て避けられるか跳ね返されるかで、俺は舌打ちを零した。
重力操作は最終手段。ならあれをやろう。
龍の頭蓋骨のような形をしたガスターブラスターを俺の背後に無数と浮かべ、ついでに、と骨も浮かせる。
それを一気に相手に向けて放つ。
さてどうだろうかと相手を見れば
全て受け取ってみせたそいつに笑みを浮かべ、そいつを重力操作でその場に留める。
昔よりも威力が格段に上がっているブラスターからビームを放ち、骨をその中に放った。
その時、ビームの中から相手の武器が飛んでくる。
それをちかみちで避け、また口角を上げた。
ブラスターと骨の攻撃を止め、相手の体を見た。
全員痣のやつの方を向き、先程と同じように跪く。
お館様とやらが口を開き告げる。
Horrorは俺と石油を交互に見てから口を開く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。