第4話

第四話
596
2023/12/26 02:09
Murder side









胡蝶しのぶ
でしたら竈門君は私の屋敷でお預かり致しましょう。
竈門 炭治郎
……えっ?
胡蝶しのぶ
はい、連れて行ってください!










笑顔を浮かべたままそう言い放った蝶の髪飾りのニンゲン。




二回手を叩き、口元を隠したニンゲンを呼んだ。











前失礼しまァす!!
産屋敷 耀哉
では話を…
竈門 炭治郎
ちょっと待ってください!!
その傷だらけの人に頭突きさせてもらいたいです、絶対に!!!禰豆子を刺した分だけ絶対に!!!
黙れ!!黙っとけ!!!
竈門 炭治郎
頭突きなら隊律違反にはならないはず…!!!
黙れ!!指はがせ早く!!
竈門 炭治郎
はぶぇ!!!










竈門、というニンゲンが騒いでいると、どこからが小石が飛び、そいつの顔面にぶち当たる。










時透 無一郎
お館様のお話を遮ったら、駄目だよ。
もっ申し訳ございませんお館様。
時透様。
時透 無一郎
早く下がって。
はひっ…はいィイ!!










あいつの持ってる石にヒビ入ったな、とんだ馬鹿力だ。










産屋敷 耀哉
炭治郎。
珠世さんによろしく。










そうニンゲンに告げ、此方に向き直ったお館様というニンゲン。










産屋敷 耀哉
さて、じゃあ君たち三人の話をしようか。

……まず、質問をしてもいいかな?
Murder
……。
Killer
……オレらに言ってる?……はあ。
何。さっさと言ってよ、こっちは首が痛くて痛くてしょうがないんだから。
煉獄杏寿郎
お館様に向かってそんな態度を取るとは!せめて敬語を使ってはどうなんだ!
Killer
うるせェな、ニンゲンがオレに話しかけんなよ。
オレはあの痣野郎に聞いてんだ、黙ってろ。
Horror
Killer。
……すまないな、ウチのKillerが。此奴と後もう一人は重度のニンゲン嫌いなモンでな、こういった態度になってしまうのは許して欲しい。
Killer
Horror。ニンゲンに謝ることなんて何一つ無いでしょ何言ってんの。
Horror
そうじゃないだろ。少なくとも初対面のニンゲンで、俺たちは余所者なんだぞ。立場を考えろ。…助けてくれたと言っても過言じゃないんだぞ。
Killer
……クソがッ!!
産屋敷 耀哉
いいや、大丈夫だよ。此方もすまないね、君たちの事情も知らずに……。
Horror
謝るのはこっちの方だ、すまなかった。
それで、質問とやらは?答えられる範囲なら答えるぞ。
産屋敷 耀哉
ああ、すまないね…。
先ず、君たちの名前は?
Horror
名前か。俺はHorror。んで、こっちが……自己紹介くらいは自分でしろよ?
Killer
るっせェな…!!!
………………あ"ーもう!!Killer!!Killerだよ!!!ほら、これでいいでしょ!?
Horror
よし、いい子だぞ〜Killer〜。
……お前はできるか?
Murder
……………………。
Horror
だよな……。
んと、被り物をしてる無口の方がMurderだ。ごめんな、此奴ニンゲン嫌いが特に激しいんだ。
産屋敷 耀哉
Horrorに、Killer、Murderだね……。
教えてくれてありがとう、助かるよ。
Horror
コラMurderそんな顔しない。
……他は?質問あるか?
産屋敷 耀哉
そうだね……。
君たちは、鬼ではないのだろう?
Killer
アー。……Horror。
Horror
全部俺任せじゃねえか…。
……鬼ではない、というか……恥ずかしい話、俺たちは鬼については知らないんだ。
そんな存在は今日初めて知ったし…。
胡蝶しのぶ
あなたたち…鬼を知らないで彼処に居たのですか?
Horror
んまあ…そうなるな。
産屋敷 耀哉
成程……なら鬼の事は後で教えるよ。
最後の質問だ。君たちは


鬼殺隊として、鬼と戦ってくれるかい?
Murder
……はあ?










一体このニンゲンは何を言っているんだ?










俺たちが今日存在を知った場所で、今生きているニンゲン共の為に、戦えと?











Murder
巫山戯んな。そんなのお断りだ。
Killer
奇遇だね、オレも嫌だ。絶対嫌だ。
Horror
お前らな……。
不死川実弥
お館様、この者共を鬼殺隊にしようとお考えですか!?!?
悲鳴嶼行冥
いくらお館様であっても、そのお考えには賛成できない……。
煉獄杏寿郎
此奴らを鬼殺隊にするには少し危険でしょう!!何時反抗してくるか分からない!!
産屋敷 耀哉
けれどね、君たち三人が居れば、鬼舞辻を倒せると私は思うんだ。
不死川実弥
何故です!!いくらお館様でも納得ができない!!
産屋敷 耀哉
ふふ…勘だよ。
それに、三人はとても強いんだろう?
Horror
……さあ?どうだかな…。
この世界のニンゲン共より強い自信はあまり無いしな……。俺以外の二人はありそうだけど。
産屋敷 耀哉
そうか…。
なら、少し手合わせでもしてみないかい?
宇髄天元
手合わせ?
産屋敷 耀哉
強さを確かめるためにね。
…どうかな?
Killer
手合わせってことは戦えるってことでしょ?
それなら大歓迎!!やってあげるよ。
Horror
俺も別にいいが…Murder、どうする?
Murder
……わかった…やりゃァいいんだろやれば……。
Horror
ありがとなMurder。
産屋敷 耀哉
じゃあ、みんなもそれでいいかな?
不死川実弥
あの3人組の実力が見れると言うのであれば。
煉獄杏寿郎
うむ!俺も気になるしな!
宇髄天元
中々に派手なモンになりそうだからな、賛成だ。
時透 無一郎
僕は……どちらでも。
甘露寺 蜜璃
私はお館様の言う通りに!
伊黒小芭内
ふん。勝手にやれ。俺はやらない。
産屋敷 耀哉
それじゃあ、宜しく頼んだよ。
相手は君たちが決めていい。
Horror
え、いいのか?
産屋敷 耀哉
頼んでいるのは此方だからね。
Horror
……そんじゃお言葉に甘えて……。

どうする?
Killer
オレ風のやつ。さっきからすんごい苛つくんだよね〜騒がしくって。
Murder
普段のお前だろ。
Killer
あ"?
Murder
は?
Horror
後にしろそれ。
Murderは?もしあれなら俺が勝手に決めるってのでもいいが……。
Murder
……お前が決めろ。
Horror
分かった。
じゃあMurderは……泣いてるやつで、俺はあのエビフライみたいな色してるやつでいこうか…。
Killer
何それ笑える。いや確かにエビフライだけど。
Murder
例えがHorrorらしいな。
Horror
それじゃ…それで頼めるか?
産屋敷 耀哉
勿論だよ。
それでもいいかな?
不死川実弥
……御意。
煉獄杏寿郎
うむ!指名された以上、全力でやらせて貰う!ただ、エビフライとは何だ!!
悲鳴嶼行冥
嗚呼、直ぐに終わらせてしまおう……。
Killer
ツンデレみてェ〜可愛くな〜!!
Horror
一言言う度ビックリマーク出るのどうにかならんのか…?
Murder
…お望み通り、直ぐ終わらせてやる。










一番最初は、石油野郎と傷のやつが戦うことになった。








審判は蝶の髪飾りを付けたあいつ。










双方、武器を構える。











胡蝶しのぶ
……準備はいいですね?

では、始め!!
不死川実弥
おらァ!!!










始まった瞬間、刀を抜き攻撃を真正面から仕掛ける傷のやつ。








それを軽く避ける石油。










Killer
まだMurderの方が動き早いね!!
不死川実弥
あ"ァ"!?










"ちかみち"を使い、傷のやつの背後に瞬間移動をした石油は、ナイフを手に取り、傷のやつの心臓を狙う。








その事に気付き、距離を取ってギリギリの所で避ける傷のやつ。






石油は笑みを浮かべたまま傷のやつを追いかけ、攻撃する隙も与えず幾つものナイフを出現させ傷のやつを狙う。







避けるのを繰り返す傷のやつは、強行突破をしようと刀で向かってくるナイフを全て弾き返し、走って石油の元へ。










不死川実弥
お"ら"ァ"!!!
Killer
い"っ!?!?










刀を思い切り振り、石油を完全に斬った気でいる傷のやつ。










Killer
……なァんてね?













勝った気でいる傷のやつに先程よりも口角を上げ、そこらに転がっているナイフを重力操作で操り、傷のやつの首を切る寸前で止めた。









Killer
もう胸を切り裂かれるのはゴメンだね。










ふん、と笑みを無くしギロリと傷のやつを睨みつける石油。










胡蝶しのぶ
……Killerさんの勝利。
Killer
いえ〜い!!所詮はニンゲン!!皆が皆あいつみたいにRESETもSAVEも使える訳じゃないもんねー!!!楽勝楽勝!!!
不死川実弥
……クソがァァ!!!
Killer
負け犬の遠吠え〜!!!負けは負けだよちゃんと認めることだね!!!










傷のやつの攻撃を笑い声を上げながら避ける石油。










胡蝶しのぶ
不死川さん、次に行きましょう。少し落ち着いて下さい。
不死川実弥
……チッ!!!
Horror
…じゃ、次は俺でもいいか?
煉獄杏寿郎
なら俺か!!
手加減はしないぞ!!包帯の!!
Horror
そりゃこっちの台詞だ、全力でやらせて貰う。










準備運動を始めるHorror。








骨で造られた斧を取り出し、野球の如く素振りをし










Horror
よし!!










と、気合いを入れた。











胡蝶しのぶ
それでは、行きますよ?始め!!










今度は先程とは逆にHorrorから先に攻撃を仕掛ける。










地面からエビフライのやつを閉じ込めるかのように尖った骨を出現させる。










煉獄杏寿郎
むう!!これは面白い術だ!!
本当に鬼では無いのか疑いたくなるな!!
『炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天』!!
Horror
…っぱ、一筋縄じゃいかねえよな。










刀から炎が出たと思いきや、刀を下から上に振るい骨を全て斬るエビフライのやつ。






それを見てより一層口角が上がるHorror。







ろくな事考えてねえな彼奴。










Horror
そんじゃこれはどうだ?










今度はHorror自身が攻撃を仕掛けようと近付き、斧を振り上げる。








それを刀で受け止めるエビフライのやつ。










煉獄杏寿郎
…むう!!










Horrorの力は強い。闇AUでも上位に入る程だ。






力比べだなこりゃ。








そしてHorrorはその間にエビフライのやつの背後から青く染まった骨を生やす。








それは見事にエビフライのやつの背中を貫いた。














煉獄杏寿郎
なっ…!?!?
Horror
かかったな。
胡蝶しのぶ
っ待ってくだ
Horror
お前は黙ってろ審判。
この程度で死にゃしねえよ。










それもその筈。










そいつは相手が動かない限りダメージなんて入らない。










煉獄杏寿郎
大丈夫だ胡蝶!!この程度直ぐ…グァッ!?!?
Horror
痛いだろ?そりゃこの攻撃の意味を分かんなかったらなァ。










だがそんなこと知らないエビフライのやつは片手で刀を持ちもう片方の手で骨を引き抜こうと動くが、それのせいでダメージが入る。










Horror
ほら、チェックメイトだ。










Horrorは自分とエビフライのやつの周りに無数の骨を浮かし、狙いを定める。










胡蝶しのぶ
………煉獄さん、動けますか?
煉獄杏寿郎
これは驚いた……!動いてはいけないな!降参だ!!
胡蝶しのぶ
では、Horrorさんの勝利。










そう審判が言うと、Horrorは骨を全て仕舞う。











煉獄杏寿郎
凄いな君は!あれはなんなんだ?簡単に出来るものじゃないだろう!
Horror
まあ俺らしか出来ないんじゃないか?
…ほれ、Murder、出番だ。
Killer
ボコボコにしてこーい。
Murder
るせえ。
悲鳴嶼行冥
嗚呼、なんて不幸な少年だ……直ぐに終わらせてやろう…。










俺は泣いてるやつの顔をギロリと睨む。











胡蝶しのぶ
いいですね?では…始め!!











今度は両者とも動かない。










Murder
…何だ、ビビってるのか?
悲鳴嶼行冥
貴様こそ来ないのか?ならば…こちらから行かせて貰う……。










俺らから見ても特殊な武器を振り回し、こちらに投げる。










それを避け、取り敢えず骨投げるか、と軽い気持ちで先端の尖った骨を無数に投げる。










それは全て避けられるか跳ね返されるかで、俺は舌打ちを零した。










重力操作は最終手段。ならあれをやろう。











Killer
…それ初っ端から出すのお?










龍の頭蓋骨のような形をしたガスターブラスターを俺の背後に無数と浮かべ、ついでに、と骨も浮かせる。











それを一気に相手に向けて放つ。









さてどうだろうかと相手を見れば









悲鳴嶼行冥
………少し、侮っていたようだ。
Murder
……こりゃァ面白い。










全て受け取ってみせたそいつに笑みを浮かべ、そいつを重力操作でその場に留める。







昔よりも威力が格段に上がっているブラスターからビームを放ち、骨をその中に放った。








胡蝶しのぶ
待って下さい!!流石にやり過ぎです!!
Murder
別にそこまでじゃないさ。耐えれるだろ、これくらい。










その時、ビームの中から相手の武器が飛んでくる。








それをちかみちで避け、また口角を上げた。










Murder
……ハハッ、こりゃ、すげえ、耐えるか今の、こんなニンゲンあいつ以外で初めてだ!!










ブラスターと骨の攻撃を止め、相手の体を見た。










Murder
タフだな。驚きだこりゃあ。すげえぜお前。
悲鳴嶼行冥
…それは……有難いが………もう、戦える気がしない……降参だ……。
胡蝶しのぶ
……Murderさんの勝利。
宇髄天元
…おいおいマジかよ。悲鳴嶼さんもやっちまった。
甘露寺 蜜璃
強い……!
産屋敷 耀哉
…これで、分かったかな?










全員痣のやつの方を向き、先程と同じように跪く。










産屋敷 耀哉
……鬼殺隊に、協力してくれないかい?
Horror
……んー…………じゃあ取引しようぜ。
産屋敷 耀哉
取引?
Killer
はあ?おい待てよHorror、もしかしてやる気か?とうとう脳みそまでもおかしくなっちまったか?いやそれは元からか。
Horror
殴るぜ。
もしかしたら帰れるかもしんないだろ?
正式に鬼殺隊にはならないが鬼は倒すし言うことは聞く。その代わり、帰れる方法を何時でも探していいって条件を出しゃいいだろ。
……それに、EXPも手に入るかもしれない。
Murder
…鬼とやらの中にそういった能力持ったやつも居そうだしな。EXPも手に入るなら一石二鳥だ。
Horror
そういう事。
Killer
…………まあ二人が言うならいいよもう…。頭狂ってるけど僕らの中じゃ常識骨のHorrorと頭が良い方だけど狂ってるMurderが言うもんね。
Murder
余計なの聞こえたな。
Horror
喧嘩売ってんな。
産屋敷 耀哉
……話し合いは終わりかな?











お館様とやらが口を開き告げる。









Horrorは俺と石油を交互に見てから口を開く。










Horror
ああ。
鬼殺隊に協力はする。だが条件を付けてもいいか?
産屋敷 耀哉
勿論いいよ。頼んでいるのは此方だからね。
Horror
お前達、鬼殺隊に協力する代わり、自由に動き回っていいか?
勿論、鬼殺隊のやつらを攻撃するなんて事はしないしお前らの言う事は最低限聞こう。
産屋敷 耀哉
分かったよ。
皆もそれでいいかな?
甘露寺 蜜璃
お館様が言うのであれば…!
宇髄天元
派手に強いしな。いい戦力になるだろう。
煉獄杏寿郎
宇髄に同じくだ!彼らは強い!
時透 無一郎
僕は……どちらでも。きっとあまり関わらないだろうし……。
伊黒小芭内
ふん。あの三人に勝てた事は褒めてやるが俺は信用しない。
悲鳴嶼行冥
彼らの強さは本物だ…共に戦うと言うのならば心強い…。
産屋敷 耀哉
……それじゃあ、宜しく頼んだよ、三人とも。
Horror
ああ。宜しくな。……ほら、二人も言え。
Killer
仲良くはしないね!!!
Murder
右に同じく。

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