第2話

2話
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2025/09/03 14:42 更新
「こいしちゃん、実は私、小説家になりたいんだ」

夕日のもとで、いつもの場所でいつものように遊ぶ私達。何だかあなたの背が高くなった気がする。

何やらもじもじしながら、腕に数枚の紙を抱えていたあなた。

それは何?と聞く間もなく、その紙の束を突き出して

これ、読んでみてくれない!?

と、お願いされたのが数分前の出来事。

あなたの綴った物語はとても面白くて、つい真剣に読んじゃった。

「すごく面白いと思うよー。あなたなら、なれると思うな」

それが……。と、顔を俯かせるあなた。話を聞くと、彼女の親が小説家になるのを許してくれないという。

「ええ、何で?許してあげればいいのに」

「ううん、心配するのも無理ないよ。小説家なんて、売れなければご飯を食べていくのも厳しい職業だし……」

彼女は少し臆病なようで、両親には自分の書いた小説を見せたことが無いと言う。

「でもすごく面白かったから、見せたらきっと応援してくれるって」

「でも……」

中々勇気が出ないというあなた。じれったいな、もう。

ごめん。これからのことを考えるのに忙しいから、もう帰るね。と立ち上がって、とぼとぼと家路に着くあなた。

その後ろ姿を見ていると、その背中を押してあげたくなった。

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