第2話

1人のお客様
32
2025/02/10 11:10 更新
ピエロ
ピエロ
みなさんようこそ、僕の舞台へ!
今日も楽しんでいってくださいね。

おや、今日は誰かがいるみたいだ。

僕の孤独なサーカスにお客さんかな?
男の子
男の子
…お兄さん、何してるの?
ピエロ
ピエロ
何って…サーカスだよ。
男の子
男の子
サーカス?サーカスって…もっとこう、何かあるんじゃないの?日の輪とか…空中ブランコとか?
ピエロ
ピエロ
僕にそんなアクロバティックな動きは出来ないよ。
男の子
男の子
じゃあ、サーカスじゃないじゃん。
ピエロ
ピエロ
ううん、サーカスだよ。
男の子
男の子
ふぅん
ピエロ
ピエロ
ところで坊や、こんなところで何をしてるんだい?ここはこわーいお化けさんが出るこわーいところだよ。
男の子
男の子
お兄さんみたいなピエロとか?
ピエロ
ピエロ
おっと、それは聞き捨てならないよ。僕はこわーいものじゃないよ。訳あってここから出られないんだけど。
男の子
男の子
へー
ピエロ
ピエロ
それで?何があったんだい?
男の子
男の子
…えっとね…、僕…お友達が全然いなくて…寂しいの…
ピエロ
ピエロ
ふむふむ、お友達ねぇ…それじゃあ、君にはとある劇を見てもらおう。
男の子
男の子
劇?
ピエロ
ピエロ
あるところに、ひとりぼっちの少年がいました。
ピエロ
ピエロ
少年は、独りぼっちで寂しいなぁ、お友達が欲しいなぁ。と思っていました。
男の子
男の子
…これって…僕?
ピエロ
ピエロ
ふふふ、でもいつかたつと、そんな少年と一緒に遊んでくれるお友達ができました。
ピエロ
ピエロ
少年は幸せでいっぱいになりました。めでたしめでたし。
男の子
男の子
わぁ…!いいお話…!
ピエロ
ピエロ
君も、いつかは一緒に遊んでくれる友達ができるよ。
ピエロ
ピエロ
だから1人でも頑張って、それでも無理だったらここにおいでよ。僕がお友達になってあげる。
男の子
男の子
!うん!!ありがとう、お兄さん!
子供は、嬉しそうに走って行った。

あの背中はきっと、もう帰ってこないだろう。
ピエロ
ピエロ
ふふ…いいな。僕もあんな風に…無理か。あ、そーだ。
僕は思い出すようにポッケを探り、とあるものを取り出す。
ピエロ
ピエロ
ふふふ…みんな、仲良くしてあげてね。
人形だ。

僕は人形をたくさんの人形の近くに置いた。

その人形は子供にそっくりだ。

その人形は、たくさんのお人形さんお友達に囲まれて嬉しそうに見えた。

独りぼっちでも、いつかはお友達になってくれる人がいる。

僕にもそんな人がいたらいいのにな。

そんなことを願っていても時間の無駄だ。

僕はそんか想いを殺し、ショーのシナリオを考える。

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