第3話

異なる兄妹
24
2025/03/01 23:27 更新
ピエロ
ピエロ
そして、この兄と弟はお互い等しく幸せを感じることができましたとさ。
今日のショーはいいお話になったなぁ

等しい幸せ…
ピエロ
ピエロ
ふふ、等しい幸せなんて、そんなものないんだけどね。
女の子
女の子
お姉さん、ここで何してるの?
ピエロ
ピエロ
うぉっと…どうしたの?
男の子
男の子
おい!芽衣!どこまで行ってるんだよ!?
女の子
女の子
あ…お兄ちゃん…
男の子
男の子
ったく、お前が迷子になったら俺が怒られるんだよ。しっかりしてくれよな!
女の子
女の子
…うん、ごめんなさい…
男の子
男の子
で?なんでここ来たんだよ?
女の子
女の子
このお姉さんのやるお話が気になったの。
ピエロ
ピエロ
ふたりとも、ようこそ。
男の子
男の子
うわぁっ!?ふ、不審者!?
ピエロ
ピエロ
随分と失礼だね…僕はピエロ。ここでサーカスショーをしてるんだ。
女の子
女の子
サーカスショーって…団員さん、お兄さんだけじゃないの?
ピエロ
ピエロ
まぁね。確かにここには僕1人だ。でもお人形さん達を使えば立派なサーカスショーの完成さ。
男の子
男の子
そ、そうなんだ…
ピエロ
ピエロ
そうだ、2人のためのショーを思いついたから見てくれない?
女の子
女の子
見たい!お兄ちゃん!一緒に見ようよ!
男の子
男の子
おい!そんなことしてる時間ないだろ!?
ピエロ
ピエロ
まぁまぁ。大丈夫だから。安心してみていってね。



ピエロ
ピエロ
あるところに、兄弟がいました。
ピエロ
ピエロ
でも、普通の兄弟とは違います。
兄は頭がよく、親から好かれていました。
弟は頭が良いとは言えず、家族から嫌われていました。
男の子
男の子
…これ…
ピエロ
ピエロ
その兄弟は、お互いを嫌っていました。
女の子
女の子
!…
ピエロ
ピエロ
弟は神様に訴えました。
ピエロ
ピエロ
どうして僕は勉強もダメで家族から嫌われるんだ?と。
ピエロ
ピエロ
神様は言いました。お前にもちゃんと能力を与えた、と。お前が勉強を出来ないのは、勉強の花を開花させていないからだ、というのです。
ピエロ
ピエロ
弟は神様の言葉をよく考え、必死に勉強をしました。
ピエロ
ピエロ
すると成績も上がり、演劇という自分の生まれ持つ能力を見つけることができました。
女の子
女の子
…!✨
男の子
男の子
っ…でもそれじゃ…
ピエロ
ピエロ
…でも、それでは弟にしか幸は降りません。
男の子
男の子
…え?
ピエロ
ピエロ
兄だって重いプレッシャーがかかり、ストレスも溜まっています。
ピエロ
ピエロ
それに、弟の成績も急激に上がり、兄は焦ります。次は自分が酷い扱いをされてしまうのではないか、と。
ピエロ
ピエロ
兄は神様に訴えました。自分は沢山の時間を勉強に費やしてきたのに。なぜ弟の方が高い成績を得られるのか、と。
ピエロ
ピエロ
神様は言いました。お前達には平等な幸せを与えたはずだ、と。
ピエロ
ピエロ
兄は考えました。どうしたら幸せを弟と等しく分け合えるのか。
ピエロ
ピエロ
一つの案が思いついた瞬間、兄は決意しました。
ピエロ
ピエロ
兄は弟に今までの態度を謝り、お互い勉強を教え合い、両親からの愛を分け合い、等しい幸せを得ることができました。
ピエロ
ピエロ
めでたしめでたし。




ピエロ
ピエロ
2人とも、どうだったかな?
男の子
男の子
…なんか…すっごく俺たちと似てるな。
女の子
女の子
…うん、そうだね…
男の子
男の子
俺たちも、足りないところを埋め合いながら生きれば…平等に幸せを得られるのかな。
女の子
女の子
…そうかも…
男の子
男の子
…芽衣、本当ごめん。
女の子
女の子
わたしもごめん…
ピエロ
ピエロ
…ふふ、それじゃあ…お帰り。
男の子
男の子
うん、ありがとう。
女の子
女の子
ばいばーい!お姉さーん!
ピエロ
ピエロ
ふふふ、ばいばい。








ピエロ
ピエロ
等しい幸せか…バカバカしい。
ピエロ
ピエロ
僕に幸せなんて降るわけないから。
僕はまたポケットから人形を取り出し、一つの小さなステージの上に置いた。

きっとこの2人は等しく幸せを得られるはずだ。

ひきわり幕を閉じ、暗転させる。

そして客席に座り、目を閉じる。

羊を10匹数えたとき、僕の意識も暗転した。

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