あるところに、サーカスやショーが大好きなピエロがいました。
…けど、そんなある日。
ピエロは転落事故を起こしました。
息も絶え絶えに、最後に笑顔を作ります。
こんな時でもみんなには笑顔でいて欲しい、そんな気持ちで笑います。
僕はピエロだから、ピエロは笑えばみんな笑ってくれるから、必死に笑います。
──ところが、力を振り絞り、周りを見渡すと、
ピエロは地面に這いつくばり、子供のように駄々をこねながら息を引き取りました。
────でも、最後まで笑顔でした。
そして、ピエロの生涯は一度幕を閉じました。
けれど、
古びた建物の前、人影が一つ、ありました。
その正体は、男。そしてその正面にはピエロがいます。
そう、ピエロは幽霊に成り変わったのです。
ピエロはその場所を見て、男に聞きます。
ピエロはしぶしぶ承諾しました。
すると、男は少し厳しい表情になって言いました。
男の言葉に、ピエロは驚きました。
それでは人々を笑顔にするなんて、到底無理だと思ったからです。
ピエロは仕方なく、了承しました。
だってまだ、みんなの恐怖に染まった顔を笑顔に塗り替えられていないのだから。
長い月日が経ちます。
ステージにお客さんは、誰もいません。
そんな中で、ピエロはショーやサーカスをし続けます。
ある日から、ずっと守り続けてきた笑顔が、ぽっと消えました。
ピエロは偽りの表情を浮かべまたショーを続けるのでした。
これが、ピエロがショーを「したい」、から「しなくちゃ」に変わった出来事なのです。
男の正体は一体誰なのでしょうか?
なぜショーをピエロに進めたのか?
────それは、また今度のお話。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。