あなたの声は、いつもより低い
そう答えた瞬間、
あなたの指が私の顎を持ち上げた。
怒ってるのに、目は泣きそうだった。
あなたは、強い。
誰よりも冷静。
でも。
その一言だけは、
子供みたい。
私は、そっとあなたな頬に触れる。
と、即答する。
―――――――――
あなたの瞳が揺れる。
震える声でそう言う。
その腕が、強く、強く私を抱きしめる。
痛いくらい。
でも、嬉しい。
あなたがいなくなったら、
きっと私は何もできなくなる。
笑えない。
眠れない。
生きる意味も分からなくなる。
私は、あなたの首に腕を回して、囁く。
しばらくの間沈黙が続く。
そしてあなたは、笑った。
それは優しい笑いじゃなくて、
少しだけ、狂気を含んだ笑み。
指が私の手首をなぞる。
怖い言葉。
なのに。
私は、頷いてしまう
世界が敵になってもいい
友達が減ってもいい
未来が狭くなってもいい
あなたが私を選ぶなら。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!