あれから5年
ルーデウスはシルフィの魔法大学の入学資金を貯めるためボレアス家のお嬢様の家庭教師をすることになり今もきっと頑張っているのだろう。
私はと言うと今年はついに12歳になり魔法大学の入学ができる歳になった。とは言っても入学試験まではまだ時間があるのでシルフィに魔術を教えつつ自分の勉強も進めていた。
許嫁の件はと言うと着々と進んでいて一ヶ月に一回くらいの頻度でルークに会っている。
面食いの私からするとかなりイケてるメンズって感じ
今日は暇だったのでシルフィに魔術を教えていた
天気が悪くなったので一旦私の家に入ってお菓子でも食べようかなって思ってたその矢先
その瞬間を私の目はとらえていた
地面にひとつの光が伸び
そしてそれが地面に着いた瞬間
白い光の奔流があらゆるものをかき消しながら津波のように迫っているのを。
館を消し、
町を消し、
城壁を消し、
草花や木々を飲み込みながら迫ってくるのを
私は咄嗟にお父さんの手を掴んだ
パウロside
目が覚めた時、オレは草原にいた。
草原だ。
草原としか言いようが無い。
お父さん!
なんだ、声が聞こえる
腕の中にはノルン目の前にはあなたの下の名前
戸惑っていると
俺の顔を見て、ノルンが不安そうな声を上げた
俺はノルンの頭を撫でた
馬に乗ってしばらく移動したが
俺は絶望していた
ブエナ村にたどり着く前に。
事の重大さが分かったからだ。
フィットア領が消滅していた。
オレは混乱の極地にあった。
何が起こったのか。
ブエナ村はどこにいったのか。
ゼニスは?
リーリャは?
城塞都市ロアも消滅している。
となると、ルーデウスもいないのか?
あなたの下の名前が泣いている。
俺はあなたの下の名前が泣いているのを初めて見た。
あなたの下の名前は生まれた時もなにかに頭をぶつけた時も泣かなかったのだ。
そんな子が家族と離れて泣いている。
俺は少し安心した。普通の子だった。普通の女の子だった。
いやそんなことを言っている場合じゃない。
今すぐに家族を探し出さねばならない
俺は難民キャンプに集まった若者を集め、「フィットア領捜索団」を組織した。
各地に転移し、難民と化した人々を救うのだ。
もっとも、オレの目的は見ず知らずの他人を助けることではない。
家族を探すことだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。