いつも通りの朝。
な、はず。
それなのに
どうして涙が止まらないんだろう。
どうしたんだろう。
なぜか
ものすごく
悲しい。
辛い。
てひょあ の手が伸びてくる。
僕は反射的にその手を振り払ってしまった。
てひょあ がはっとしたような顔をする。
今、
僕は てひょあ を傷つけた。
どうしたのかなんて自分でもわからない。
でも
心の奥底で
ぼく が泣いてる。
叫んでる。
会いたいって。
誰に……?
名前を呼ばれて始まる、
てひょあ との甘いキス。
“ 違う ”
なにも違わないよ?
“ てひょあ はおかしいよ ”
なにもおかしくないよ?
“ ぼく は ずっと ~ ひょん のことが好きだったんだ ”
誰って?
聞こえなかった。
“ ~ ひょん ! ”
わからないよ。
僕は てひょあ のことが好きなんだから。
“ ~ ! ”
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。