第94話

「肩もみ(?)の日」
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2025/12/20 11:00 更新







「ん〜……やまと〜......肩いてぇ……」









夜。動画の撮影と編集が立て込んで、ソファに沈み込んだまま動かないゆうた。








背中を丸めてゲームみたいな姿勢を長時間してたせいで、完全に肩が固まってるらしい。









「ほら、姿勢悪いからそうなるんだろ」









俺――やまとが笑いながら隣に座ると、ゆうたは情けない顔で上目遣いしてくる。












「やまとぉ、肩やって……」










「……甘えん坊だな。しょうがねぇな」











後ろにまわり、ソファの背もたれとゆうたの間に手を差し込む。親指で肩のつけ根を押すと――











「っ……あぁ……そこっ……!」









いきなり色っぽい声を出すから、こっちの手が止まった。









「おい、声でかいぞ」









「だ、だってそこ……きもち……っ……」










ぐっと親指に力をこめると、ゆうたの身体がびくっと震えた。









ただの肩もみなのに、やたら敏感すぎる。










「…!?…ゆうた、お前反応やばくね?」









「や、やばくないし……あっ……そこっ!」









「ほら、声抑えろって。変な誤解されるぞ」









「む、無理ぃ……っ……やま、とぉ……」









耳まで真っ赤にして、ソファに沈み込むゆうた。








俺はおもしろくなって、ちょっと意地悪に色んな場所を押してみる。


















「こっちは?」








「ひゃっ……!そこダメぇ……!」








「じゃあ逆は?」









「ふぁ……や、やまとぉ……やば……っ」









普段ならクールぶってるくせに、肩を押すだけでこんな声出すなんて反則だろ。










俺の中で変なスイッチが入る。










「……声、もっと聞きたいな」








「や、やまと、そういうのじゃ……あぁっ!」









ぐっと深く押し込むと、ゆうたの指先がソファの端を掴む。








身体を預けて完全にとろけていくその顔が、無防備すぎてかわいすぎる。










「……だめ、やまと……おかしくなる……」








「肩こりほぐしてるだけだろ?」








「でも……声、勝手に……っ……」









額に汗を浮かべて息を乱すゆうたを、つい後ろから抱きしめた。








肩に顔を埋めながら親指で首の付け根を揉むと――









「や、やま……とっ……そこ……やばっ……んぁぁ……!」









くぐもった声が耳のすぐ横で響く。









さすがに理性を保つのが難しくなる。















「なぁゆうた、これって肩もみだよな?」









「っ……し、しってる……だけど……」










「肩もんでるだけで、こんな声出す彼女ってやばくね?」








「……や、やまとぉ……からかわないで……っ」










ゆうたが恥ずかしそうに振り返ろうとした瞬間、俺は首筋に軽く唇を落とした。









「ひゃっ……!」








「……こっちはもっと効く?」








「ちが……っ……あぁぁ……っ!」









肩から首へ。
親指で軽く押すたびに、ゆうたは小さく悲鳴を上げる。








可愛いのと同時に、ちょっとイジワルしたくなる。









「もっとほぐさないとダメだな」









「まっ……まって……これ、肩もみ……じゃ……っ」










「肩もみだよ?でも反応がエロいだけ」









耳元で囁くと、ゆうたが顔を両手で覆った。








「やまとぉ……やめ……っでも……きもち……っ」








「ほら、素直でいい子」

















しばらく悪戯を続けたあと、ゆうたが完全に力を抜いてぐったりしてきた。








さすがにこれ以上はやりすぎかもな。










「……大丈夫か?」









「……ん……まだ、肩……あったかい……」








「声、出すぎ。ご近所に聞こえるだろ」








「……だってやまとが……いじわる……するからぁ...」









拗ねた声が可愛くて、俺は後ろから強く抱き寄せた。








「……悪かった。ちょっと調子乗った」









「……でも……ありがと。すっごい楽になった」









「そうか。ならいい」










ソファの上で背中ごと抱きしめると、ゆうたは少し照れながら俺の手に自分の手を重ねてきた。









「……ねぇやまと」









「ん?」









「肩もみ……またしてほしい」










「いいけど……次はもっと静かにしてもらわないとな」









「むり……やまとの手、反則だもん」









「じゃあ次はもっとゆうたの弱い声聞きたいかも..」











「……やっぱりいじわるじゃん」










そう言いながらも、ゆうたは嬉しそうに笑って俺の胸に頭を預けた。










心臓の鼓動がやけに早いのは――










たぶんお互い様だ。








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