私には、まだ誰にも言っていない秘密がある。ある人と私だけしか知らない秘密。それはとても酷く残酷な内容なのだ、もちろん先生にも言っていない、クラスメイトにも言っていないこと。親や友達は?って思った人も少なくはないだろう、それはね言えないの。だって私に友達や親なんかはいないのだから。思い込まなくたって大丈夫だよ。親は昔ある事件に巻き込まれて死亡。友達は一切つくってないのでいない。じゃあ月居くんは?彼の存在を考えてみたけど、何処にも当てはまらない気がするんだよね〜!彼は私の心の何かを突き動かそうとしている気がする。そんな予感が頭をよぎった。今更だけどさあ私の秘密、知りたい?でもねこれは何時か言う事にして置くよ。今知っていても意味は特にないからさ。まあとにかくこの話は置いといて、学校に行こう。いつもの地味な変装をして・・・・・・いや、変装はそろそろ諦めよう。流石にバレる日がいつか来るんだったら先に種明かしでもしておけばいじめは軽いもので済むだろう。そもそも名前、本名のままだから普通にわかりやすいだろう。まあとにかく今のままで行こう。私は素の状態では初めての登校だった。でもなんだか清々しい気持ちになった気がするな!そう思えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。