ジリジリと太陽に焼かれている感じがする
汗も首筋を伝い、下ろしていた髪が肌に張り付く
髪結っておけば良かった…
宛もなく散歩している道中、とびきり元気な声で はしゃぐ女の子がいた
小学校一年生くらいだろうか
高く、溌剌とした声がよく響いていた
仲の良さそうなやり取りを一頻り終えたあと、小さな女の子はポケットにいっぱい入っていた貝殻を一つビーチに落とし 両親と手を繋いで更衣室へと向かっていった
私は彼女が落とした貝殻を手に取り、形を確かめるようにして触る
ザラザラとして、生温くて、グッと押せば粉々になってしまいそうだ
『______あなた、貝殻見つけたの? 綺麗ね』
『じゃあお父さんも探そうかな』
なんだろう
懐かしい
ほわほわして、忘れたくなくて
大切なもの
無一郎が立ち止まっている私の顔を覗き込む
両親と……?
そんなことあった?
親切にされると私なんかのためにって申し訳なくなっていた
だけど、いつからか少しだけ嬉しいって感情もある気がする
思えば、風邪引いた時も
寂しくなったクリスマスの夜も
私の手をひいてくれたのは無一郎だったっけ
なんか……不思議な感じだ
無一郎は私の心の中で、炭治郎や善逸、伊之助とはまた別の場所にいる











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。