第21話

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2025/10/07 13:25 更新
枝葉を切り裂きながら、烏天狗たちが迫る。
リーダーが翼を広げ、鋭い爪を振り下ろした。
れおん
れおん
終わりですわ
皐月
皐月
っ……!
皐月は仲間を庇うように立ちはだかる。
しかし爪が振り下ろされる寸前──。
紫の焔が、空を裂いた。
轟、と音を立てて広場を包み込み、烏天狗たちが一斉に後退する。
黒
そこまでになさい
気品ある声が響く。
闇を照らして立つのは黒。その目は静かに燃える紫焔を宿していた。
爾日
爾日
黒!
黒
あなた方の相手は、まだ試練を終えておりませんのよ
さらに横から、金色の尾が駆け抜ける。
琥珀だ。軽やかに跳躍し、烏天狗の翼を爪でかすめる。
梓
琥珀!
琥珀
琥珀
しつこいんだよ、アンタたち!
そして、柔らかな風が吹いた。
菫が白い袖を揺らし、掌から薄紫の花びらを散らす。
その花びらは淡い光を帯び、4人の体を守るように舞った。
菫
……もう大丈夫。立って、走って
遊離
遊離
菫!
優しい声が、恐怖で固まった足を解き放つ。

黒の焔、琥珀の疾走、菫の守り。
その3つの力に支えられ、主人公たちは再び息を吹き返した。

リーダー烏天狗は悔しげに翼をはためかせ、闇へと後退する。
れおん
れおん
……覚えていなさい、人間。次は必ず──
羽音が遠ざかり、森に静寂が戻った。
黒
ふふ……危なっかしいですわね
黒が微笑む。
黒
彼女はれおん。
烏天狗のリーダーです
皐月
皐月
れおん……

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