五条side
目の前で弾け飛んだ、術式持ちの二級呪霊。
犯人は、もちろん新羅あなた。
遂に苛立ちを包み隠さず放ちだしたあなたが、右手を握りながら言い放つ。
僕としては、そのまま帰さないで欲しいんだけど……
明らかに仕事の邪魔をしてる傑にキレそうなこの人が、そんな願いを聞き入れてくれるわけないだろうし。
ていうか、僕は今生徒を守らなきゃいけないんだ。
望みうす……
小声で呟いたその言葉に気づいた人間は居ない。
「消えろ、失せろ、塵芥」
なんて、とんでもない暴言が僕の耳に入って来た時にはもう、かつての親友は空高く舞い上がっていた。
あなたside
夏油を早々に追い払ってから、呪具の開発に戻れると思った矢先。
緊急会議に駆り出された私は、既に不機嫌が限界に達していた。
故に、半ば連れ込まれたと言える場所で、先程の態度を説教され、この場の人間を皆殺しにしたくなっているのは、仕方のない事だった。
右手は既に、呪力を撃つ用意が出来ている。
いつでも殺せるぞ。
何ともまぁ、一方的に喚かれる。
こんなにも見下された物言いをされるのは、実に不愉快だな……
まるで宿儺になってしまうような気がする。
流石にマズいと思ったのか、間に入って来た五条。
どうやら、私の養護をする気で割って入ったようだ。
数年前、どうやって呪霊や人を殺すのかと聞かれた際、五条には説明したんだったな。
○あなたちゃんの呪力に関するお話○
(※以下創作)
まず、あなたちゃんの肉体は、人間と呪霊の間となっています。
呪力も、肉体の細胞変化に伴って変化すると仮定します(主が確認した中では明記されていないので)。
今現在、肉体が半人間で半呪霊のあなたちゃんの呪力は、“人間と呪霊のどちらにも毒となる性質”を持っています。
呪霊を殺す際には“自分の呪力を正の呪力に変換”して、人間を殺す際には“人間の細胞を破壊する毒”として撃ち込みます。
まぁつまり、“新羅あなたの呪力は最初から毒”ということですね。
なので、術式を使わずに呪力だけで、1級程度まで任務こなし放題のチート体質です。
by 作者












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。