薄暗い明かりで照らされる静かな廊下に荒い息遣いとポタポタと雫の落ちる音、重い足音が響いた。
荒い呼吸を繰り返しながらあなたは後ろの真っ暗な廊下を見て誰もいないことを確認して壁にもたれかかった。
呼吸が通常に戻りつつあった時、銃声が響き左腕に激痛が走り倒れかける。
銃を撃たれた先に目を向けるとコツコツとリズム良い靴音が聞こえて血のついた白衣を着たターゲットが現れた。
ニヤニヤと上から目線で話しかけられ睨みつけるが軽く受け流される。
傷が痛くて仕方ない、と小声で付け足した。
白衣のポケットから液体の入った注射を取り出しゆっくりと歩み寄ってくる。
身体が動かないせいで逃げることもできない。
ゆっくりと首に針が差し込まれる。
何かの液体が体内に侵入してきた。
針が抜かれた直後、俺は膝から崩れ落ちた。
視界が揺らぐ。
何とか上を見ると肉の腐敗臭が鼻をかすめた。
腐敗臭の正体は男の持つ野良猫の死骸だった。
舌が痺れてそれ以上何も言えなかった。
面白そうに笑って俺の前にしゃがみ込んで死骸を突きつけられた。
自分の耳を疑った。
なんで死骸を食べなければならないんだ
無遠慮に口に死骸を突っ込まれて咳き込み吐きかけるがそれを許してはくれなかった。
頭を撫でられて余計に吐き気がしたがそれも一瞬で、直ぐに強烈な眠気が襲ってきた。
眠気と言っていいのか分からないが、とにかく意識が飛びかけた。
意識が飛ぶ直前、男の声が聞こえた。
男がバイバイと言いながらヒラヒラと手を振る姿を最後に意識を手放した。
まだ頭痛が酷かった。
目を覚ますとぼんやりと誰かの顔が見える。
左頬に傷がある。
なんて言ってるんだ?
聴力が大分回復してきた。
突然の大声に驚きつい肩が跳ねてしまい勢いよく飛び上がる。
異様に身体が軽い。
立ち上がった時、足と腕に激痛が走りまた倒れた。
どこからか「ふみゃあっ」、と猫の鳴き声が聞こえた。
猫……?
お腹の辺りを触られてたまらず腕をつかもうとしたが自分の腕は短く、綺麗な青色の毛が生えていた。
なんだ、これは……!?!?
倒れていた?首輪?何のことだ?
それに…エイミーとグレイス…だよな?何でここに…?
青い猫…?
あなたは近くに鏡があるのを見てベッドから飛び降り鏡の前に立った。
心底驚いた。
鏡に映っていたのは全身が青い体毛で覆われた猫がいた。
俺は青い頭髪だった。
目はオッドアイで右目が緑で左目は黄色。
俺も右目が緑で左目は黄色のオッドアイだった。
首輪はいつも手首につけていた腕輪だった。
耳についているピアスもいつもつけているものと同じだ。
俺は…猫に…なったのか……?
ひょいと持ち上げられて「待て!」と叫んだつもりだった。
喉から出るのは猫の鳴き声。
いくら喋ろうとしても言語は「にゃあ」か「みゃあ」だけだった。
優しげに微笑むグレイスを見てどうしようもできずに近寄りながら、最悪だ…、と声を漏らそうとしたが
「にゃあ」という鳴き声しか出てこなかった。
・追記
新しい小説を作ってしまった気分屋をお許しください。
投稿頻度がどんどんのろくなっていくかもしれませんが見てくださると感謝しかないです。
また次回見てくださると嬉しいです!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。