研磨side
宮城の土地勘がないおれは、いつの間にかクロたちと離れ、迷子になっていた
仕方がない。時間までに戻ればいいし、
待ってればクロとかが迎えに来てくれる……たぶん。
心臓が跳ね上がった
後ろから急に声をかけられたから、純粋に驚いただけかもしれない
けど、君の声を聞いて
顔を見て
胸の奥底を打たれたような気がしたのだ。
名前は翔陽って言うんだ
日向、翔陽…
太陽みたいな君にふさわしい名前だと思った。
おれのことを見つめる、静かで大きな目に
吸い込まれてしまいそうで、少し怖いと思った
確かに
どうしてだろう。
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友達っていう風に見えない…?
って、どういう…
でも、確かにクロと接する時の感覚とは何かが違う気がする。
クロのことをともだちと思ってないわけじゃないんだけど…
ああもうわかんな
翔陽って、真っ直ぐなんだな
気になる、翔陽が気になって仕方がない
知りたい
翔陽は何者なのか、知りたい。
どうしてこんなに魅力的に見えるのか
翔陽を、もっと
後編へ続く