付近の隊長や他支部に「第七戒」リュドミラが出現したメールが回ってから、あまり経っていない時。未だに紗とリュドミラは戦闘をしていた。
「時が止まった世界」の中で。
体力が枯れそうなのに、余裕をかまし続けるリュドミラに少々腹が立ってきた。
「ピューーー」という甲高い音が響く。
唱え終えると、空から大量の影が見えた。パッと見、空に浮かぶ「黒い塊」のようなそれは、空を旋回し続ける。
「黒い塊」の中に浮かぶ光っているものは目で、まさに獲物を狙うように、今か今かとリュドミラを睨み続ける。ある程度旋回すると、
大声で叫んで合図を出す。すると、黒い塊が消えて、バラバラの何かがリュドミラの元へと突っ込んでいった。槍のような速いソレは、
百舌鳥。偶然見つけて手懐けた鳥だったけれど、その実、非常に攻撃特化型だった。その特徴はなんと言っても、スピードによる貫通。別名「早贄」とも呼ばれるその槍の如き攻撃は、あらゆる敵を貫通し、獲物を獲るまで止まらないと言う。
突然攻撃が当たり、混乱したのか時間止めが消えて、周りに色がつき出した。再び風が吹き、全てが揺れる。ふと見たら、蜜稀も戻っていた。
蜜稀の手首を握って駆け出す。私みたいな低い位持ちが、遥か格上の「呪禁第七戒」に立ち向かっても、勝てる未来が見えない。ひとまず逃げて、報告。もう支部にメールは届いているだろうし、多分支部長がこのあと来ると思う。自分の身を守らなければ。
本殿の外を駆け回り、石畳の道へ戻る。其処には案の定、さっき倒したはずの「ヒトガタ」が立っていた。
高みの見物の如く他人事のように言うオセロちゃんに少し腹が立った気がする。
そう言うとリュドミラがまた現れる。が、すぐに元の姿に戻った。
えっ、つまりそれって。体力満タン×2対手負い&蜜稀で戦うって事?
だめだ。終わった。勝てる気がしない。
いやあの、蜜稀さん。感動的な所を壊さないでいただきたいのですが。仲間のピンチに立ち向かう友人とか燃える要素しか無いのに、なんかさりげなく破壊されてるし。そんな事は置いといて。
そんなことを考えている私の一方で、当の蜜稀はかなり戦う気満々だった。手にはボウガンを持って。
困惑している私にお構いなしで、A.Aを発動。
「キラッ」と鈴の様な音がしたと思えば、蜜稀の姿は消えていた。
そう聞こえた瞬間、蜜稀の現像が現れてリュドミラをボウガンで撃ち抜いていた。
グサッ。
気がついた時にはもう既に撃ち抜いていて、矢が飛んでリュドミラの身体を鈍い音と共に貫いていた。
すると、蜜稀の現像はまた消えた。
また現像が現れる。その瞬間、リュドミラも姿が消えていた。
目の前にリュドミラがいた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。