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第9話

一章「開幕ノ宴」6文
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2024/08/24 23:11 更新
付近の隊長や他支部に「第七戒」リュドミラが出現したメールが回ってから、あまり経っていない時。未だに紗とリュドミラは戦闘をしていた。
「時が止まった世界」の中で。
リュドミラ(影)
アレ〜?動き鈍ってル〜?
天鳴紗
あなたが、体力、お化け、なんだから…
しょうが、ない、でしょ!?
リュドミラ(影)
マァ、しょうがないよネ〜!
リュドミラ(影)
人間とボクらじゃ体力の差がありすぎるもんネ〜!
体力が枯れそうなのに、余裕をかまし続けるリュドミラに少々腹が立ってきた。
天鳴紗
…っ、「野鼠の嘶き声」!
「ピューーー」という甲高い音が響く。
天鳴紗
「トリさんっ、おいでなさいませッ!」
唱え終えると、空から大量の影が見えた。パッと見、空に浮かぶ「黒い塊」のようなそれは、空を旋回し続ける。
リュドミラ(影)
ン、ナニ変なの飛んでるのサ?
天鳴紗
さあね。いつか分かるでしょ!!
「黒い塊」の中に浮かぶ光っているものは目で、まさに獲物を狙うように、今か今かとリュドミラを睨み続ける。ある程度旋回すると、
天鳴紗
行けっ!!!
大声で叫んで合図を出す。すると、黒い塊が消えて、バラバラの何かがリュドミラの元へと突っ込んでいった。槍のような速いソレは、
リュドミラ(影)
ナ、何これ?アレ?痛イ…?
百舌鳥モズ。偶然見つけて手懐けた鳥だったけれど、その実、非常に攻撃特化型だった。その特徴はなんと言っても、スピードによる貫通。別名「早贄」とも呼ばれるその槍の如き攻撃は、あらゆる敵を貫通し、獲物を獲るまで止まらないと言う。
突然攻撃が当たり、混乱したのか時間止めが消えて、周りに色がつき出した。再び風が吹き、全てが揺れる。ふと見たら、蜜稀も戻っていた。
神倉蜜稀
あれ?なんで紗傷だらけなの!?
神倉蜜稀
てか、何があった!?
天鳴紗
あはは…これにはちょいと訳があって…
天鳴紗
取り敢えず、さっさと逃げるよ!
蜜稀の手首を握って駆け出す。私みたいな低い位持ちが、遥か格上の「呪禁第七戒」に立ち向かっても、勝てる未来が見えない。ひとまず逃げて、報告。もう支部にメールは届いているだろうし、多分支部長がこのあと来ると思う。自分の身を守らなければ。
神倉蜜稀
ちょっと!まだ封印できてないんだけど?
天鳴紗
今は自分の身が最優先!
本殿の外を駆け回り、石畳の道へ戻る。其処には案の定、さっき倒したはずの「ヒトガタ」が立っていた。
オセロちゃん
アララ、これはちとやばいネ。
天鳴紗
(なんでオセロちゃんは冷静なの!?)
オセロちゃん
経験の差ってとこあるネ。オメーらはまだまだ未熟アル。
天鳴紗
(くー!サポートしてよ!)
高みの見物の如く他人事のように言うオセロちゃんに少し腹が立った気がする。
神倉蜜稀
まあでもさっきみたいに倒せば…!
リュドミラ(影)
おっと。ソレは無理ダヨ。
そう言うとリュドミラがまた現れる。が、すぐに元の姿に戻った。
リュドミラ
影を保持するのは少しばかり大変でね?
リュドミラ
まあボクも刀くらいなら扱えるし?
リュドミラ
体力もホラ!回復した!
えっ、つまりそれって。体力満タン×2対手負い&蜜稀で戦うって事?
だめだ。終わった。勝てる気がしない。
神倉蜜稀
私、やる。
天鳴紗
えっ?
神倉蜜稀
今まで紗頑張ってきてくれたみたいだし、私何にもしてないからさ。
天鳴紗
勝てる…の?
神倉蜜稀
知らん。
天鳴紗
は!?
いやあの、蜜稀さん。感動的な所を壊さないでいただきたいのですが。仲間のピンチに立ち向かう友人とか燃える要素しか無いのに、なんかさりげなく破壊されてるし。そんな事は置いといて。
神倉蜜稀
じゃあ行くよ!
A.A「鏡界」発動っ!
そんなことを考えている私の一方で、当の蜜稀はかなり戦う気満々だった。手にはボウガンを持って。
天鳴紗
(なんでえ?)
困惑している私にお構いなしで、A.Aを発動。
「キラッ」と鈴の様な音がしたと思えば、蜜稀の姿は消えていた。
リュドミラ
アレ?どこいったのかなあ?
神倉蜜稀
ここだよっ!
そう聞こえた瞬間、蜜稀の現像が現れてリュドミラをボウガンで撃ち抜いていた。
リュドミラ
ん?
グサッ。
気がついた時にはもう既に撃ち抜いていて、矢が飛んでリュドミラの身体を鈍い音と共に貫いていた。
天鳴紗
えっ!
神倉蜜稀
よし、奇襲成功!
すると、蜜稀の現像はまた消えた。
リュドミラ
(ちと、面倒くさいな〜。こっちからも奇襲するか。)
神倉蜜稀
隙有り!
また現像が現れる。その瞬間、リュドミラも姿が消えていた。
神倉蜜稀
あれ?どこいった?
天鳴紗
あれ?どk…え。
目の前にリュドミラがいた。
リュドミラ
反撃チャーンース!

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